中国が一帯一路政策を推進する真の目的について

私は、中国が一帯一路政策を推進する真の目的は、国連総会の平和のための結集決議を回避し、安全保障理事会常任理事国としての拒否権の有効性を維持することにより、軍事的に他国を侵略しても、国際連合が中国を制止することができないようにすることだと思います。

国連総会の平和のための結集決議とは、1950年11月3日に国連総会で採択された宣言です。この宣言では、国際連合憲章に基づき、安保理が平和維持の「主たる責任」を果たせなかった場合は、総会が国際的な平和と安全を回復するために必要なあらゆる行動を取ることを安保理常任理事国は妨げることはできないし、妨げるべきではないことが宣言されています。つまり、総会の3分の2が行動の必要性を認めた場合、拒否権の行使は国際連合の行動を送らせることにしかならないので、このとき、安保理常任理事国の拒否権が無効化されるのです。

この意味で、国連総会は、国際の平和と安全に対して最終的な責任を持っていることになります。

しかし、見方を変えれば、安保理常任理事国が、国連加盟国の3分の1以上を味方に付けておけば、国連総会の平和のための結集決議を回避することができ、安保理における拒否権の有効性を維持することができるのです。

そこで、5大国による多数派工作が行われると見るのが妥当でしょう。

中国の一帯一路政策は、この多数派工作だと考えられます。一帯一路の物流網で多数の国に利益をもたらすことにより、受益国にとって中国の利益が自国の利益にかなうようにすることにより、中国が他国を侵略したときに、中国の行動を安保理が制止しようとしたときには拒否権を行使して中国に対する制止を無効化し、国連総会の平和のための結集決議が開催された場合には、多数派工作の成果を活かして決議を否決に持ち込むというのが中国の狙いだと思います。

2021年4月現在、国連加盟国は193か国ですので、その3分の1、すなわち65か国以上を中国の味方につければ、中国は平和のための結集決議を否決することができ、自由に他国を侵略することができるというわけです。

中国の一帯一路政策によって利益を得ている国は、既に100か国以上に上ると言われています。中国は、今後も一帯一路政策を強力に推し進め、受益国の国益と中国の国益の一致を磐石なものとするように活動するでしょう。

ここから未来を見通すと、中国は、一帯一路に参加しない国を侵略するでしょうそして、安保理も国連総会も、中国の侵略を止めることができません。こうして、中国は、軍事力によって覇権国家となっていくものと思われます。

当然、日本は、侵略される恐れがあります。そして、中国が日本を侵略するとき、日米安保条約を結んでいるアメリカしか日本の味方をしてくれる国はないものと思います。

そのアメリカさえ、日本の国防問題は安保理に付託しますから、アメリカが日本防衛の役に立つとは思えません。日米安保条約を読むと、集団的自衛権の行使に基づく軍事行動は、安保理に付託されるまでの暫定措置ということになっているのです。

私から言わせれば、日米安保条約は、安保理常任理事国による侵略に対しては何の効力も持ちません。

やはり、日本の防衛は、軍事力を用いて行うことはできないのです。徹底した対話主義、話し合い、言論戦を展開して、外交交渉の中で国防を実現するしか道はないと思います。

今回は、安保理常任理事国である中国が、いかにして他国を侵略するのかという道筋について語りました。現に、中国は、尖閣諸島に侵略しようとしています。中国による一帯一路政策により、国連加盟国の多数派工作が進んでいること、それによって平和のための結集決議が否決され得ることを論じました。

中国は、軍事力による他国侵略を平然と行うことができます。それは、中国共産党の理念が、全世界革命による全世界の共産化にあるからと、私は考えています。中国は、中国の拡大が人類の利益にかなうと考えているのです。

しかし、世界平和を望む私は、軍事力による侵略を認めることはできません。平和主義者として、中国とは、話し合い、他国を侵略することは悪いことだと注意しようと思います。

中国の指導部のみなさん、尖閣諸島は日本の領土ですので、侵略しないでください。


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