【小説】成田吉寿の地球帝国皇帝業始めました③
吉寿は、地球帝国を建国するためにはどうすれば良いか、ということを考えた。
そもそも吉寿が地球帝国を建国しようとしている目的は、世界平和と全人類の幸福の実現である。ゆえに、地球帝国の建国も、平和的手段によって行いたいと思った。
地球帝国とは、地球の陸地の全てを領土とし、地球の全ての海を領海とし、空および宇宙空間および天体の全てを領空とする大帝国である。地球が丸々1つ地球帝国なのである。
ところが、2021年2月10日現在、地球上には200ヶ国以上の国々がある。その国々には、おのおの領土、領海、領空がある。
それゆえ、地球帝国が成立するためには、これらの国々から、領土、領海、領空を地球帝国が取り上げなければならない。
そんな取引に、200ヶ国以上の国々が応じるだろうか?応じるわけがあるまい。無理に取り上げようとしたら、戦争になってしまうだろう。それは、吉寿の望むところではない。
では、どのようにすれば地球帝国を建国することができるのだろうか?吉寿は考えた。
それぞれの国々には、固有の文化があり、固有の民族が住み、固有の言語が話されている。歴史も宗教も固有のものである。
そうであるがゆえに、国々の間で、対立や分断が起きてきた。また、異なる民族間で争いがたびたび起きてきた。
異なる文化や異なる宗教、異なる道徳、異なる言語があるから、争いが生まれる。吉寿は、そのように考えた。
もしも、歴史、文化、言語、宗教を同じくする集団しかこの世に存在しなければ、対立や分断が起きないのではないか?吉寿は、そのように考えた。
歴史が異なれば民族が異なる。
文化が異なれば民族が異なる。
言語が異なれば民族が異なる。
宗教が異なれば民族が異なる。
全世界の全ての人が同一民族となるためには、歴史、文化、言語、宗教が全て共通していなければならない。
全世界の全ての人が同一民族となるとき、その民族名を、地球民族と呼ぶことにする。人類は、地球民族成立に向けて、一歩を踏み出す時が来たのである。
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