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韓氏意拳備忘録 途切れないこと

韓氏意拳の初級講習を受けている中で
よく先生に言われること
「はい、注意を切らないでください」

主に動作の工程が逆に転換するとき
先生に触れられ、意識がそこに凝縮し反射的に力が入る時
腕の動作を肩を起点に始めるとき

ここでいう「注意」とは
全体と途切れていない状態というか
身体のみならず、空間、いまここ全体へ、満遍なく注意が行き届いている状態のこと
身体の特定の部分に意識が集中したり
意図どおりに体を沿わせようと動いたりすると
瞬時に力が部分に凝縮するので、全体性が途切れ、先生はそれ敏感に察知して指摘する。

逆に言うと、日常の意識や身体は、全体性から途切れ、思考に巻き込まれ、力んでいるということ。
ふつうは、集中して仕事や活動を行った後、「ふーっ」と身体と意識が弛緩し休息することでバランスする感じだが、韓氏意拳の世界では、その状態は注意が切れ全体性から離れている不自然な状態とする。
注意の休息は寝ている時のみで、覚醒している時は全体性とのつながりが途切れないよう、注意が持続することをよしとする。

自然現象や生命活動は、休むこなく途切れずに現れているように
人間の活動も、寝ていると時以外は現象全体の流れとともに途切れずに呼応するのが自然であるというものなんだろう。
生命活動そのままに、十全に生きるということなんだろう。

とても魅力的な世界観だ。

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