紬・つむぎ・ツムギ‼
※本題に入る前に、今回の勉強法(?)について語らせてほしい。
全国観光特産検定まで10日。ここにきてタカハシは己の弱点に気づいた(遅い)。それは
織物が憶えられない……。
織物の名前とか産地とか特徴とか独特な技法とかそういうの、Webやテキストだけじゃ全然憶えられないんだよー。
オタク式記憶法「推しのきせかえごっこ」
着物は、母が作ってくれたものを何点か持ってはいるが、正直「持ってるだけ」。普段は着る機会が全くない。が、織物に興味はある。嫌いじゃない。
記憶したいものには「リアリティ」が欲しい。産地を旅した思い出とか、織物を触ったカンジとか、そういう周辺の記憶もひっくるめて憶えた方が、絶対に残る。
産地の資料館にも行ってはみたいが、このご時世、なかなか出かけられない。かと言って、近くの着物屋さんに行って「着物見せてー見るだけ―なんなら反物だけ見せてー」などとは言えない性分(笑)
旅にも店にも行きづらいこのご時世と性分。どうやって自分に、織物を「リアルに」感じさせることができるか。
とりあえず、絵に描いてみた。こんなカンジ。
全然憶えられない……。
さすがに凹んだ。どうしたら記憶に残せるんだろう。誰かステキな殿方が着ててくれたら、「まあ、彼が着てるあのお着物、どこそこの織物じゃない!」みたいに、ヨコシマなココロで(笑)印象に残るんだろうけれど……そんな着物男子がいたらいいのに……
ちょっと待てよ。
私、最強の着物男子(?)たちを知ってる、見てる、描いてる!
そうそれは……落語家‼ 最強の着物男子軍団じゃん‼
彼らに「脳内で」高級織物のお着物を着せて、これは〇〇師匠に着せた紬、とか、☆☆師匠に着せた絣、とか、勝手に印象付けしちゃえばいいんじゃないか? 私の妄想できせかえごっこする分には、平和なんじゃないか?
……と思い立ち、以下のようなイラストを描いてみた。
確かに印象付けはできる。「結城! 花緑師匠に着せた結城!」と(笑)。誰に何を着せるか、選ぶのも楽しかった。
ただ、本来の目的である「検定試験のためにちゃんと憶えられるか」は、試験になってみないとわからない。合格しないときせかえごっこの意味がない(笑)
では、本日のお勉強のテーマ「紬」、いってみよう。
牛首紬(石川県白山市)
古今亭駒治師匠に着せてみた。背もお顔立ちもしゅっとしてらっしゃるので、藍染のカツオ縞が似合うんじゃないかと。
玉繭……どうしてそんなイレギュラーなものを使おうとしたのだろう、昔の人は。お蚕様だから捨てるなんてできないだろう。案外ダブルカイコーズもそれなりの数があったのではないだろうか。
「玉繭は糸紡ぐの大変だけど、余ってるし……ちょっとこれで作ってみっか」と織ってみたら、節もいいカンジで想像以上にいい出来だったんではなかろうか……と妄想する。
置賜紬(山形県置賜地区)
米沢・白鷹・長井‼ 三つ揃って‼ 置賜紬ジャー‼(どかーん)
……という妄想を繰り広げてしまった「置賜紬」。春風亭昇太師匠、柳家花緑師匠、古今亭駒治師匠にそれぞれきせかえしてみた。
紅花染めを昇太師匠か花緑師匠か、どちらに着せるか悩んだ。お二人とも時々高座でピンクや暖色系のお着物を着てらっしゃるし。
しかし、白鷹紬の画像を見て、「……これは昇太師匠には似合わぬ……花緑師匠に着せたい……」と思い、上のような絵になった。
白鷹紬板締染色は超絶技巧、というかマジック。ド素人の私は「? なんでそーなるの? え?」の連続だった。必見。
(下の「トピックス 白鷹紬」のページに動画あり)
結城紬(茨城県結城市周辺鬼怒川沿い)
結城を着せるなら、花緑師匠しかおらぬ‼
結城紬の織り方が2種類あるなんて知らなかった……勉強って大事……。
紬ってあんなにお高いのに、どうしてフォーマルでは着られないのか。ずっと不思議に思っていた。
元は野良着だったから、という理由。ちょっとおでかけにはOKだそうだが、その出自から正式なあらたまった場には不向きとされる。
すごいな、野良着から最高級オシャレ着に成り上がったのか、紬よ。
着用イメージが少ない⁈
今回、勉強のため、織物のWebサイトをいろいろ見たが、完成品つまり着物の着用イメージ画像が少ない印象を受けた。特に男性ものは少ない。
反物の画像はあっても、着用イメージがないと、「着てみたいな」と思わせるには少々弱いのではないだろうか……。
着物として着るには、反物から仕立てなければならないので、すべての着用イメージを掲載できないのは致し方ないかもしれない。が、それにしても少ない。
反物だけ掲載されていても、それが着物になるとどうなるのか。想像できるのは着物を着慣れた人たちだけだろう。
「着用イメージが示されない=どう着たらいいかわからない」初心者が近づきにくいのはこういう広報的な要因もあるかもしれない……と感じた次第。