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学力テストの現状がひどすぎる!

学校で行われる学力テストで、
複数の学校で過去問対策をしているという。
福岡県だけで、80校以上というから、かなりの数だ。

いったいどういうことなのか?

想像するに、学校側の言い分としては
「学校で行われている授業が効果的ということを示したい」から
そのような過去問対策をするということであろう。

だが、学力テストは子どもたちの学力を正確に把握するのを
目的としているはず。
それなのに、一部の学校が過去問で対策をすれば、
その学校の生徒の学力は正確に把握できない。

こうした過去問対策は、単に学校の評価を上げるためだけのものであり、
本来の教育の目的から大きく外れている。
子どもたちの真の学力向上につながるわけではなく、
むしろ弊害が大きいと言わざるを得ない。

まず、過去問対策に時間を割くことで、
通常の授業時間が削られてしまう。
本来ならば、子どもたちの興味関心を広げ、
深い理解を促すような授業に充てるべき時間が、
テスト対策に費やされてしまうのだ。
これでは、子どもたちの総合的な学力向上は望めない。

また、過去問対策によって一時的に点数が上がったとしても、
それは真の学力向上を意味しない。
テストの形式に慣れ、似たような問題を解く練習をしただけで、
本質的な理解や応用力は身につかない。
むしろ、子どもたちに「テストのための勉強」という誤った学習観を
植え付けてしまう危険性がある。

さらに、こうした対策は教育の機会均等という観点からも問題がある。
過去問対策を行う学校と行わない学校で、
テスト結果に差が出てしまうのは明らかだ。
これでは、子どもたちの真の学力を比較することはできず、
結果として教育政策の立案にも悪影響を及ぼしかねない。

教育現場の教師たちも、このような状況に疑問を感じているはずだ。
しかし、「校長に逆らえず」という声があるように、
組織の中で異議を唱えることは難しい。
教育者としての良心と、組織の一員としての立場の間で
葛藤している教師も多いのではないだろうか。

そもそも、なぜこのような事態に至ったのか。
その背景には学校評価や教育行政の在り方に問題があると考えられる。
学力テストの結果が学校や地域の評価に直結するという現状が、
こうした過度な対策を生み出しているのだ。
本来、教育の質は単一のテスト結果だけで測れるものではない。
子どもたちの成長や学びの過程、人格形成など、多面的な評価が必要なはずだ。

また、教育現場に過度な競争原理を持ち込むことの弊害も無視できない。
学校間や地域間で点数を競い合うことで、
本来の教育の目的が見失われてしまう。
子どもたち一人ひとりの個性や可能性を伸ばし、
社会に貢献できる人材を育成するという教育の本質的な役割が、
点数至上主義によって歪められているのだ。

一方、文科省の方もこうした実態を把握しているのか、いないのか。
学力テストを行うということは、
子どもの大切な時間を削って行われているということ、
費用は税金だということ、
それなのに、正確なデータが得られないという事実。
文科省サイドは過去問対策をしたら
学力テストの意味がなくなることぐらい無論わかっているはずだ。

にもかかわらず、こうした事態が続いているということは、
文科省の対応にも問題があると言わざるを得ない。
学力テストの実施方法や結果の活用方法について、
より厳密なガイドラインを設ける必要があるのではないだろうか。
また、学校評価の在り方そのものを見直し、
点数だけでなく、多様な観点から
学校の教育活動を評価する仕組みを構築すべきだ。

さらに、教育現場と行政、そして保護者や地域社会との間で、
教育の本質や目的について十分な対話を行う必要がある。
学力テストの結果を過度に重視するのではなく、
子どもたちの健全な成長と学びを中心に据えた教育のあり方を
社会全体で考え直す時期に来ているのではないだろうか。

今回のことはとにかくメチャクチャすぎて言葉がない。
新聞の記事によると、校長先生の意向で過去問対策をしているというので
その意図をぜひ聴いてみたい。

おそらく校長先生たちも、様々な圧力や期待の中で苦悩しているのだろう。
しかし、教育者としての使命と責任を考えれば、
このような対応が適切でないことは明らかだ。
むしろ、現状の問題点を率直に指摘し、
教育行政や社会に対して改善を求めていく姿勢こそが
求められているのではないだろうか。

最後に、私たち社会全体の問題としても考える必要がある。
教育は未来への投資であり、社会の基盤を形成するものだ。
点数や順位にとらわれすぎず、子どもたち一人ひとりの可能性を伸ばし、
豊かな人間性を育む教育を実現するために、
私たち大人が何をすべきか、真剣に考え、行動に移す時が来ている。


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