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大袈裟でなく、そのとき私は、香りに平伏した

わたしにできることなんて、何にもないなー、とつくづく思った話です。

香りを前に、(わたしは必要ないなー)と思いました。しかもとても清々しい気持ちで。

その出来事があったのは、先週(2025.2.27)の手作り石鹸講座でのことです。
縁あってわたしは、地域の交流センターにて講師を務めました。

わたしの講座では、石鹸の香り付けには精油(植物から抽出した香り)を使います。

さて、実際に調香をしてもらう段階になって、用意したそれぞれの精油を香ってもらうためにムエットを配りました。
少人数でしたので、1本のムエットを順番にまわして香ってもらいました。すると、皆さんの口から次々に言葉が漏れてきました。
香りの好き、嫌いに始まり、香りを食べ物にたとえたり、誰かの言葉に誰かが共感したり。
はじめまして同士の皆さんの輪の中に、あっという間に、和やかな空気ができあがっていました。

華やかな、女性性特有の心地よい賑やかな空気となっていました。

それを肌で感じて、わたしは香りに平服したわけです。
わたしが求めているのは、こういう雰囲気でありますが、そのためにわたしが特別何かする必要はないことがわかった、とも言えるかもしれません。
もちろん、何か質問があれば聞いてくださいね、というお声がけはして目配り気配りをしますが、そのような心地よい空気感を創ってしまうチカラが香りには(香りの植物には)あるのだっていうこと、そんなことをつくづくと感じとって畏敬の念さえ湧いてきたのでした。

香りは0.2秒で人間の原始脳と言われている部分に届きます。
嗜好を判断したり、記憶と密接に関わる脳の部分でもあります。
だから一瞬で、好き嫌いの話になりますし、結果、気分転換を叶えることができるというツールにもなり得ます。そのような科学的にも証明されていることを、まざまざと見せつけられたのでした。

香りによって、石鹸作りがより印象深く皆さんの記憶に刻まれることとなったことでしょう。
わたしには、「香水を創ってみたい」とおっしゃった方の笑顔と言葉が脳裏に刻まれ記憶に引っかかっています、何かとてもいい感じに。

以上、香りを前に清々しい敗北感を感じたというお話でした。最後までお読みくださいましてありがとうございます。またお会いしましょう



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