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みんなで。(本屋大賞ノミネートのこと)

『お探し物は図書室まで』
2021年本屋大賞にノミネートしていただきました。
お知らせを受けてからばたばたと落ち着かない日々が続いていたのですが、発表後10日ほど経ち、ようやくほっとお茶を飲みながら喜びを噛みしめています。

書店員さんの一次投票は3作。一年間に発行された膨大な数の作品の中からたった3作を選ぶって、ものすごく大変なことだと思うのです。そのうちのひとつとして、あの小説を推してくださった書店員さんのことを思うと、感謝で胸が熱くなります。これからも書いていこう、書いていける、と、とても大きな励みになりました。ありがとうございました。

おかげさまで6刷重版がかかり、帯も新装していただきました。

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この帯にするときに、「目立つように帯を大幅に太くする」という案もあったそうです。
でもそうすると、羊毛フェルトアイテムの地球が隠れてしまう……
「それではこのカバーの意味がなくなってしまう」とのご配慮で、影響のないよう仕上げてくださいました。

編集担当の三枝さんから帯変更の旨をメールいただき、
「全部仲良く映って、ノミネートです。」
と書かれているのを見てぽろぽろと涙がこぼれました。

フライパンも猫も地球も飛行機もサワガニも、みんなでノミネート。
三枝さんを始め、ポプラ社さんがこの作品をほんとうに心をこめて愛してくださった想いが伝わってきて、すごく嬉しかったです。

そしてこの「みんなでノミネート」という感覚は、お知らせを受けてから私の中にずっとあります。

常に寄り添って伴走してくれた三枝さん、制作に関わってくださった方々、作中に出てくる本の著者さん、一丸となってご尽力くださったポプラ社の皆さん、応援してくださった書店さん、手に取ってくださった読者さん、励ましてくれた友人……。あらゆるポジションから、エールをくださったすべての方々。みんな。

小説を書くのは基本的に孤独な作業ですが「本を世に出す」のは決してひとりでかなうことではなく、私の本というより「みんなの本」という想いがとても強いです。

そしてノミネート発表後、たくさんの方々からお祝いの言葉をいただいて、本当に本当にありがたいことだなあと思いました。4月の大賞発表で順位の高い結果だったらもちろんすごく嬉しいですが、なによりも、読者さんに一番近いところにいる書店員さんから10作の中に選んでいただけて、さらにそれを一緒に喜んでくださる方々がいることが心から幸せです。
この先もずっとずっと、今の気持ちを大事に忘れないでいようと思います。


★サイン本を作らせていただきました。
250冊です! どこの書店さんに置かれるのか私はわからないのですが、お手に取っていただけましたら幸いです。

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★ポプラ社文芸編集部の森さんが、とっても可愛いお祝い動画を作ってくださいました!

すごい、Eテレとかでこのまま使えるレベル……! 

まったりした猫の動きのかわいらしさや、迫真の演技をするカニに感動の嵐。

動画制作についてはこちらに詳細が。

仕事じゃなくて「趣味」ときっぱり言い切る森さんに脱帽です……!

初めての本屋大賞ノミネート、初体験の今しか感じられないこと、見えるものを、しっかり味わっていこうと思います!