キセツ。第1話
第一章
安藤は、迷っている。
しかし、道に迷っているわけではないし、新宿駅構内で迷ってるわけでもない。
ただ、途方もない寂しさを紛らわす為にこの季節をどう過ごすかを迷っているのである。
何時間か経ち、何を考えているのかさえ忘れた頃
ちょうど、風が吹き込みカーテンがゆらいだ。
カーテンの隙間から刺す暖かいオレンジに少々目を細め
「あぁ、もう夕方か。」と独り言をつぶやいた。
そこにちょうど白石がやってきた。
「こんな時間まで窓開けてると風邪ひくって〜」
と言って、いつものように窓を閉め、散らかった机を片し始めた。
白石は毎日夕方になると逢いに来てくれる女性である。
安藤は基本的に無口であるが、Sに対してはよく話す。
「白石さん、今日ね、犬を見かけてね。家で飼ってる犬にそっくりだったんだよ。」
と、今日もそんな風に、たわいもない会話をしているが、安藤さんは実に満足気であり、安藤にとって、この時間は1日のうちで笑顔を得る貴重な時間となっているのだ。
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ここまでの登場人物
安藤修(アンドウ・オサム) 78歳。現在入院中。家族はおらず一人。
白石香奈(シライシ・カナ) 30歳。平塚市民病院のナース。
安藤の話相手。
to be continued...
第一話はここまで!
読んでくださりありがとうございます!!🙇♂️
これは友達に
「季節の移り変わりと人の心を照らし合わせた感じを深くカッコつけて書いて!」
と言われ自分なりに書いた物語です。
そして、これが私の処女作となります笑
少しずつストーリー進めて行くので良ければ読んで言ってください😊
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