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あ アートとは祈り
篠田桃紅先生から頂いた「Virtue 」という作品があります。過去5回ほど国内外を旅して、私が肌身離さず持ち歩いて来た唯一無二の作品です。
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「Virtue」
「Virtue」は徳,美徳,善などを意味する単語ですが、さらにその語源をさかのぼれば、「そのものをそのものとしてあらしめてる本来的な力」とあります。「バーチャル」という単語はこのVirtueの形容詞であり、「限りなく現実に近い」という意味になります。
ラスコー洞窟の壁画は2万年以上前にクロマニョン人によって描かれた人類最古のアートです。壁画の全長は2百メートル程、洞窟の側面と天井面には、馬・山羊・羊・野牛・鹿・人間・幾何学模様が鮮明な色彩で描かれています。
洞窟の暗闇の中では壁画をはっきりと見ることはできません。恐らく洞窟は祭祀用の儀式が行われる空間として使われており、火を灯すことで壁画が浮かび上がる仕掛けになっているようです。
神への祈りとして踊り歌う。原初のアートは祈りから派生したものだとおもいます。現実世界から切り離された洞窟内、それはお能の世界のような、あの世とこの世を繋ぐもの、まさにバーチャルな世界観なのかもしれません。
現世に生を受けて、人間が動物と違い人間として足らしめていることは、アートを愛しむ行為であろうとおもいます。アートとは祈りにも似た、自分の心を映しだす鏡のようなものであり、五感の先にある知覚、或いは潜在意識、超意識に至る、人智を超えた「わざ=業」のようなものだとおもいます。