あなたの今の気分は? - Love Yourself
BTSの動画を見るようになってふと気がついた。彼らはよく「気分がいい」と口にする。”기분이 좋아”(キブニチョア〜みたいな。合ってるかな!?)
韓国ドラマを見てもよく出てくる台詞のように思う。部下におだてられて嬉しげな上司とか、コメディっぽい場面でよく耳にする。
日本語にいちばん近い言語と言われる韓国語だけれど、日本だとあまり自分の”気分”を口にすることって少ないよな〜と思った。
よくよく考えてみれば、英語では毎日誰かと”How are you?"”Good, you?"のやり取りをしている。
日本語に訳せば「元気〜?」になるだろうか。ひさしぶりに会った相手に訊くことはあっても、毎朝、会社の同僚に元気〜?と尋ねたりしない。
古くは「ごきげんよう」という挨拶もあったが、これは別に相手の状態について質問しているわけではなく、答えを求めるやり取りではないのではないかと思う。
アメリカのHow are you?も店員さんとお客さんなどはだいぶ形式的なやり取りではあるけれど、同僚や友達であれば「最高!さっきこういうことがあってさ〜」「なんか今日調子悪いわ」などと自分の状態について話すきっかけになっている。
そこではたと気づいた。日本語では、日本の文化では、自分の気分や状態について話したり、人の気分や状態について尋ねる機会がとても少ないことに。
数年前、子供がアメリカの公立小学校に通い始めたとき。最初のうちはなかなか慣れずに、泣いて過ごすことも多かった。
担任の先生はうちの子のことをすごく気にかけてくれて、ことあるごとに"Are you comfortable?"(心地いい?イヤじゃない?)と尋ねてくれていた。
おかげさまで子供はすぐに慣れて楽しく通学できるようになったのだけれど、この"Are you comfortable?"は転校生だけに向けられたものではなかったのだ。
先生は子供たちがどう感じているか、何を思ってどうしたいかをよく確認してくれていた。(アメリカの学校は親のボランティアが盛んで私も授業の手伝いに行っていた。途中からはパンデミックでオンラインになったので、授業の様子を聞くこともできた。)
例えば「テキストのこのパラグラフを読んで」と先生に当てられても「わたしはこの次のパラグラフが読みたい」と子供が言えば、その通りにさせてくれるのだ。モノにもよるし、学年にもよると思うが、基本的に子供がUncomfortableでやりたくないと言うことを無理強いしない。
「大人が子供に質問して、状態や感情や考えを確認する」
これって日本の教育現場では珍しいことなんじゃないかと思うのだ。少なくともわたしは、学校の先生から、わたしの気分や状態を確認されたことはない。
日本の学校では、たいてい生徒個人よりも組織の方が重視されている。組織のルールに従うこと、先生の決めた「やるべきこと」をやることが、常に個人の意思よりも優先される世界だ。
幼い頃からそういう教育を受けてきたわたしは、アメリカの先生たちの対応に新鮮な驚きを感じた。それと同時に、子供の気持ちを大切にしてくれることをとてもありがたいと思った。
日本語のやり取りでは「今日のあなたはどんな感じ〜?」と他人とやり取りする機会は少ない。この瞬間の自分の気分について表現することも少ない。
自分を幸せにしてあげられるのは自分だけなのに、肝心の自分の状態に無頓着では、自分に何が必要かわからない。今ここにある幸せにも気がつかずに受け取り損ねてしまうかもしれないのだ。
「わたしは今、どう感じてる?」「わたしは本当はどうしたい?」
自分で自分に確認してあげること。自分の気持ちを否定せずに大切にすること。そしてそれを表現すること。
自分を愛する第一歩は、そこから始まると思うんだ。
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