プラトンはなぜ対話篇を書いたのか
対談本が人気だ。鼎談本というのもある。
人気があるにもかかわらず、本としての評価の面では、著者が書き下ろした、いわゆる著作物に比べて、対談を書き起こした本は一段低く見られている。というか、対談本は著作物と見られることすらないだろう。
けれど、古代においては、価値の序列はまったく逆だった。プラトンの対話篇は、対話であるからこそ重きを置かれた。というより、現代でいう著作物の地位を占めていたのが対話篇であったといってもいい。
これはどうしてなのか。
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