Truth comes in pairs of opposites.
シスター・スタンのことば
Truth comes in pairs of opposites.
I am strong when I embrace my weakness; I am a teacher when I can be taught; I enjoy others when I enjoy myself; I am wise when I accept my own foolishness; I find true laughter when I laugh at myself.
起床後、わたしはまず3冊の本を手にとります。そのうちの2冊がシスター・スタンの本です。けさ目にした上のことばに、ドキッとさせられました。このシスターはアイルランドの方で、アイルランドでは知恵をふくむ言葉は3つ組のことが多いのですが、これは2つ組で、めずらしく感じられます。2つの対立物で真理を表す言葉になっています。
真理は一組の対立物でやってくる。
わたしは、自らの弱さを受入れるとき、強い。わたしは教わることができるとき、教師である。わたしは自ら愉しく過ごすとき、人といて愉しい。わたしは自らの愚かさをみとめるとき、賢い。わたしは自らを笑うとき、真の笑いを見出す。
こういう対句調の表現は、漱石なら漢詩に訳すでしょうね。現代の日本語の場合、対句の後半は(はじめて)で始める方が読みやすくなるように思います。
シスターはこれを思考の糧(food for thought)、考える材料としてさし出しているのでしょう。そういえば、関係ないのですが、アイルランドで Food for Thought という、たしかサンドイッチの店がありました。
哲学者なら、これは逆説(paradox)の表現だ、というかもしれません。ひとつのことを言うのに、わざと逆の、矛盾するようなことを言うのです。不合理に見えますが、そこに一面の真理が立ち現れてくると。
しかし、しずかに黙想してみると、案外、これは本当のことかもしれません。自分の弱さを認め受け容れること、それはそれじたい、むずかしく、勇気を要することです。それを成し遂げてはじめて、自分の本当の強さが輝きいでるのだとすれば。
漢文的な表現になりますが、死中に活あり、のようなことにも通じるのでしょう。話はまったく変わりますが、NHKの大河ファンタジー「精霊の守り人」が2016年3月19日夜9時から始まりますね。あのバルサを想い浮かべます。「死中に活」を地で行く人となれば。しかし、ファンタジー世界だけでなく、現実世界でも、このような心がけは活かしたいものです。生き残りのために。
Celtic Cross at Rock of Cashel, Ireland
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