【要解】ジャック・アタリ『21世紀の歴史』(1−2章)
近未来を考える上で現代人が頭に入れておいた方がよい予測の書はいろいろある。ジャック・アタリやエマニュエル・トッドの本はその関連でよく言及されるので、読んでみたくなる。実際、ベストセラーになることもある。
ところが、忙しい現代人はなかなか読む時間がとれない。読んだとしても、フランスの知識人の思考回路と日本語での思考パタンの違いからか、全体を頭に入れるのがむずかしい。
この記事はそんな人のために短時間で理解できる、ジャック・アタリ『21世紀の歴史』の早分かりです。ただし人により解釈の仕方に違いがあります。これは筆者が「見切った」見取り図です。また、要約的に記すとしても、原著の内容は大部なものです。本稿では、全6章のうち第2章までを取扱います。
理解しにくさの原因は日本語訳にもあると考え、英訳や原文(フランス語)にも当たり、できるだけ明瞭で簡潔な見取り図を描こうとしました。この書に難渋した経験のある人、興味のある人にはきっと参考になります。
ここから先は
3,437字
/
1画像
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?