肝炎を起こすその他のウイルスの話
どんな種類があるか
ここまで書いてきたA型~E型ののウイルスは、全部肝炎を起こすタイプのウイルスでした。と言っても肝炎という病気の意味で一括りにしていますが、ウイルス自体の種類や分類といった所に注目すれば、決して一括りにできるわけではありません。この5種類のウイルスだけを見ても、DNAウイルスもあればRNAウイルスも存在しています。ということは、他の病気に関わるウイルスでも、何かの都合で肝炎を引き起こしやすいタイプのものがあってもおかしくはないという事になりますよね。
実際にあるんです。風邪をひいた時の原因ウイルスにいろいろな種類があるように(風邪と肝炎を同じ次元で考えるのはどうかとも思いますが)、肝炎を引き起こすウイルスもHGV、HHVといった種類のものが見つかっています。
HGVと呼ばれるウイルス
このウイルスは1995年に非A~非E型肝炎ウイルスとして報告されています。主に輸血後に急性肝炎を引き起こすタイプとしての報告でした。その際にはHCVによる感染が一緒に存在している例もあることから、更に詳しい調査が行われています。その結果、HGVは輸血によって広がるという事が分かったという事ですが、HGV自体に肝炎を引き起こす可能性はほとんどない事、一緒にHCV感染があっても特に悪影響を及ぼすことが無さそうだという事が分かったそうです。
HHVと呼ばれるウイルス
HBVやHCVといった文字があって、しかもその並びにHHVと書いてあれば、誰でも「新たに発見されたH型と呼ばれる肝炎ウイルス」だと考えるでしょう。今回は違いました。偶然HHVとなっただけで、ヒトヘルペスウイルスの意味です。このヒトヘルペスウイルスには8つのタイプがあって、その中の5番目がサイトメガロウイルスと呼ばれるモノ、6番目と7番目が突発性発疹の原因となるウイルスでした。その6番目のタイプが、稀に輸血後に肝炎を起こすことがあるということでした。このため、HHVの表記ではなく、HHV-6の表記を用いるようです。
その他、肝炎を引き起こすウイルスとしては、EBウイルスといったものも知られています。これらは確かに肝炎を引き起こしたという症例が存在していますが、頻度としてはかなり稀であったりします。実際の医療現場でも知識として存在しているとは思いますが、リスクとして考えるには至っていない、それほど稀なものとして扱われていると考えられます。
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