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発色剤の話

今回は発色剤を取り上げます。発色剤とだけ聞くと、「いろんな色を際立たせるために、怪しい薬品でも入っているのか?」と勘違いしそうですが、食品の色彩に関わる添加物であることには間違いありません。

発色剤は、食品にもともと含まれている色素の結合して鮮やかな色合いにすることで、美味しそうに見せるために用いられる食品添加物です。結合する色素は赤血球に含まれるヘモグロビンや、筋肉細胞に含まれるミオグロビンといった色素などで、発色剤が結合することによって加熱しても安定した赤~ピンクの色合いを保持します。

用いられる食品で考えると、生鮮食肉であったり鮮魚介類、魚卵といったものには使用が禁止されています。それ以外の動物性食品であれば使用してよいようです。では、いったいどれくらいの量が食品に含まれているのかという事が気になりますよね。これについては、かなり厳しい基準があるようです。

発色剤には、「亜硝酸ナトリウム」「硝酸カリウム」「硝酸ナトリウム」といった物質が用いられます。これらを含めて食品添加物として捉えた場合、国際的な機関が無毒性量(無害であると確かめて発表した量のこと)に対して、日本ではこの量の100分の1(つまり1%の量)を「1日摂取許容量(毎日食べ続けたとしても安全な量)」として定めて、さらにこの量よりもはるかに少ない量になるように、法的に決められています。

発色剤についてみると、食品衛生法という法的な規制によって、食肉製品で亜硝酸塩(先に挙げた、よく用いられる発色剤)の残存量が、食品1kgに対して0.07g以下になるように定められているんです。ここまで少なければ、人が食べても健康な状態を崩すような恐れがないという量になるように決められているんです。

このように、発色剤は食品(特に動物性のもの)の添加物成分としてよく見かけるものですね。ハムやソーセージなどの食肉製品、いくらやたらこといった魚卵などで使用することがが認められています。それによって、加熱しても色合いがあまり変化しなかったり、酸化されても変色せずにいられるんですね。

発色剤の効果はそれだけではありません。微生物の増殖を抑えたり、風味を改善したりする効果もあるとされています。微生物等が繁殖すると腐敗してしまいますので、これは防がなければなりません。腐敗防止としては別の添加物も加えられているのですが、発色剤にも同じような効果が期待できるんです。

どんな微生物に有効とされているかというと、ボツリヌス菌などが挙げられます。いきなりとんでもない菌名が出て来ましたが、食中毒ではとても重要な菌ですから、これが防げるというのは非常に大きいと判断してよいと思います。他にも菌名としてはいろいろと挙げることができますが、こうなってくると「発色剤無添加」といった表示があるとちょっと気になってくるかもしれません。ヘンな菌が繁殖していないかなんて心配になるかもしれませんね。そんな場合は腐敗防止等の理由で、もっと別の食品添加物が加えられているということでしょう。

他にも、動物性食品では加工してからでも時間が経つと不快な香りがしたりすることがありますよね。魚卵などではヘンに生臭く感じたりすることがあるかも知れません。そういった物質の発生を抑えるといった働きもあるようです。

この辺りはさまざまな研究機関や食品関係の企業が商品開発のために研究しています。気になる方は、一度調べてみてはいかがでしょうか。

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