見出し画像

ベーキングパウダーとアルミニウムの話

もともとパンが誕生したのはヨーロッパの方だったと思いますが、職人の方はパンを焼くうえでもっと簡単に作れないかと思案していたそうです。当時はまだイースト菌を自由に使うことができなかったとかで、職人の方たちは苦労していたようです。そんな中でいろいろな紆余曲折を経てベーキングパウダーが誕生するに至ったわけですが、この成分のひとつにミョウバンというものが入っています。

このミョウバンの成分として、アルミニウムが含まれています。そして、膨張剤が危険だとか人体に有害だとか言われる根拠は、このミョウバンのアルミニウムにあるようです。それでは、アルミニウムは体の中でどのような代謝で、どれくらいの量が体に残るのか、どんな害があるのかなど、いろいろと気になる点が出てきませんか。

ここでちょっと参考になりそうな記事を見つけました。食品添加物の成分としてのアルミニウムを調べたいと思って探していたら、水道水にも多少ながらアルミニウムが含まれていると書かれたものでした。そこにはどんなことが書かれていたかというと・・・

・水道水にはわずかながらアルミニウムが含まれているということ。
・これは水を浄化する過程でアルミニウムを投入するためである。
・アルミニウムを投入するのは、ごみや砂を固めるためである。
・ごみや砂などを除去する際に、アルミニウムも一緒に除去される。
・しかし、ごくわずかだが残ってしまう。
・その量は人体に影響のない程度でしかないことが分かっている。

このようなことが書かれていました。水道水は厳しい基準が定められていますから、それをクリアしているということは、飲んでも心配しなくてよいということでしょう。

水道水にせよ食品添加物にせよ、アルミニウムが体の中に入ってくるのは確かなようです。また、わずかながら人体を構成する成分のひとつでもありますので、いくらかの量はもともと体内に存在していることも、知っておいて損はないと思います。

そのうえで代謝の流れを見てみると、腸管からの排出がほぼすべてで99%ほど、残りは吸収されたものとして考えられるとしても、そのあと腎臓から尿へ排出されます。その量は1%程度となっています。この数字は多少の誤差を含んでいると思われますが、それでもほぼすべては体外に出ていくことが分かります。

では過剰に摂取したとするとどうなるかが気になりますよね。その場合は、尿中への排出量が増えることが分かっています。加齢によって吸収や排出の機能は低下しますので、体内に蓄積される可能性は出てきますが、その場合でもごく少量のようです。

人工透析を受けている患者さんはアルミニウムが蓄積しやすいということが分かっています。腎臓に難があるので、最後の1%程の量が排泄できずに体内に溜まっていってしまうということなので、こういった方々の例を参考にして、過剰摂取によってどのようなことが起きるかが調べられてきました。いわゆる透析脳症と呼ばれる状態です。

しかし、現在ではこのような問題は透析液の改良などによって、すでに解決されています。ですから、今、あるいは今後、透析療法が必要な人は心配せずに受けていただける状況になっています。

また、最近は「アルミフリー」と書かれた商品も出回っていますね。アルミニウムを成分に含まないものや、膨張剤などにミョウバンなどを用いずに製造するなどの技術も進んでいるようです。ただ、成分表示では「膨張剤」と一括りにされた表現が使われているために、見ただけではアルミニウムが入っているのかいないのか、分からない場合が多いのも事実です。

できればもう少しわかりやすい表示になればよいと思うのですが、皆さんはどうお考えになりますか。

いいなと思ったら応援しよう!