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36、含硫化合物の話


含硫化合物とは

今回は「含硫化合物」について書く事にします。これって、いったい何物?そんな声が聞こえて来そうですが、これはフィトケミカルの分類の一つです。つまりポリフェノールやカロテノイドといった分類と同じレベルの分け方で言うグループ名ですね。名前が示す通り硫化合物ですから、硫黄を含むという意味になります。それなら「イオウ化合物」とでも言えばいいと思うのですが、そうならないところが・・・・。

それはさておき、このグループの特徴は構造の中にイオウを持つことでしょう。イオウといえば、山に登った時に地面から噴き出している黄色のガスなどを思い浮かべる人もいるでしょう(温泉卵の方じゃありません)。ガスが噴き出す地面は黄色くなっていて、独特のヘンな臭気がありますよね、アレです。

ということは、野菜などの植物で独特の香りを持つ物が当てはまりそうですね。例えばニンニクやわさび、ネギ、ニラ、玉ねぎなど、ちょっと刺激があるといった感じの臭いがする野菜には、含硫化合物が存在しています。

その作用

先ず挙げるなら抗酸化作用でしょう。このグループもフィトケミカルですから、当然のように抗酸化作用を持っています。それにしても香りが強いものばかりなので、抗酸化力も強そうですね。実際にその通りで、殺菌作用があるとされているくらい強いものです。この殺菌作用を期待して食中毒などを防止する意味で、薬味として利用されたりします。動脈硬化の予防にも力を発揮するという話もあるようです。その他として、血小板の凝集を抑制して血液をサラサラにしたり、血栓の溶かして血液の流れを良くしたりする働きもあるのだとか。

もう一つの働きは、疲労回復に役立つことでしょう。ニンニク辺りはこの効果が期待できるモノですね。ビタミンB1と結合することで、この作用を発揮します。

また、肝臓がもつ解毒の働きを高めたり、発がん物質を体外に排出させたりする働きもあるのだとか。

含硫化物といっても成分としてみれば種類はいろいろとあります。なので、どの成分にはどんな働きがあるかといったことを覚えておくと、より効果的ですね。

余談

今回この記事を書くにあたっていろいろなサイトを調べていたところ、ニンニクについての面白い記事を見つけましたので紹介します。

最初は「ニンニクはピラミッド建設の作業員に大量に消費されていた」というものです。ピラミッドといえばエジプトを思い出しますね。どの様な理由でピラミッドを立てたかは別としても、確かにあの作業はとても疲れる重労働のようです。ですから、疲労回復にニンニクが重宝されたというのも頷けます。

二つ目、ニンニクを嫌う怪物に「吸血鬼」がいるのはご存じかと思いますが、あの話は単なるホラーとして怖がる(楽しむ?)だけではないらしいんです。昔の人は怖いモノや厄介なモノを鬼や怪物に例えることがありましたので、吸血鬼も実は病魔の例えじゃないかという話があります。ニンニクで元気になれば病魔は退散するでしょうから、ね。

さて、仏教の世界はというと元気になるのは精神面の方で、肉体の方はどちらかというと修行として厳しい鍛錬があるようです、一部かもしれませんが。ですから精進と精力旺盛とは相性が良くないらしく、山門には「肉や生臭い野菜 (ニンニクなど) を食べたり酒を飲んだりした者は立入禁止」といった意味のことが書かれた看板が立っていることがあるのだとか。

日本でも古来から魔除けや薬草として、あるいは精力がつく食品といったことが知られていたらしく、古事記にもその記載があるのだとか。元気な人の方が仏門の修行にも耐えられるような気がするのですが、それは生臭〇〇の考えなのでしょうか?

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