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エストニア国会議事堂見学の後は利き酒会へ

10月24日木曜日 晴れ
午前7時に目が覚めて、散歩に行くかどうか迷う。今日は何かと忙しいし、それに宿題をしっかりやらなければならない。だから早くから勉強したほうが良いのでは、などとベッドの中で考えていたら、いつの間にか9時になっていた。これだったらあまり難しく考えないでさっさと散歩に行けば良かった、などと思ってしまう。

それでもとにかく起きて、大学に向かう。校舎の一角に陣取って、教育学関係の小論文の執筆を進める。最初のパラグラフに時間がかかったが、だんだんとスピードが乗ってきて、なんとか正午過ぎにはファーストドラフトが仕上がった。ここに読み直しや参考文献の注釈などを足していく必要があるのだが、とりあえずそれらは後回しにする。寮に戻っていつもの簡単ハム玉子焼きを作って食べ、午後のイベントであるエストニア国会見学にいく。

アストラ校舎の一角。ここなら勉強に身が入る

この見学会はESN学生会が主催してくれた。エストニアの国会はタリン市旧市街の奥の方、アレキサンダー教会の向かい側にある。午後3時からの国会見学のために2時40分に集合するのだが、僕は午後2時には現場に着いてしまったので、向かいのアレキサンダー教会の中で座って待つ。(国会には時間まで入れない。)

国会の対面にあるアレキサンダー教会。タリン市の旧市街でも一際目立つ威容だ。
教会内部の入り口のドア
中には大きな宗教画が架かっている

時間になったので参加者が集まってきて、皆んなで国会議事堂の中に入る。最初に通されたのは2階のホワイトルーム。ここでは多くの歴史的な会議や条約調印などが行われたのだが、今は主に海外から来るVIPとそれを迎えるエストニア側の代表との握手の写真を撮る場所になっているらしい。

エストニア国会の建物
数々の重要な会議の場になったホワイトルーム
今は主にVIP同士の握手する写真を撮影するために使われる

そこから国会の大会議室に移る。エストニアの国会の室内装飾は意識的に伝統的な意匠を排して、モダンで幾何学的なものになっている。「新しい国に新しいデザインを」と考えられたそうだ。この会議室を見ながら、エストニアの政治システムに関して案内人の方から講義を受ける。質疑応答もたっぷり時間を取ってもらい、エストニアの議員の選ばれ方や党派による政治システムなども良く分かる、有意義な機会だった。

華美を廃した国会の内部のブルーカーペット
2階の記者席に向かう階段
幾何学的なデザインが美しい
国会議事堂。議員101人が集う場所。日本の国会議事堂を比べるとさすがに小さい。

国会見学会で一つ、重要な情報を入手した。なんと、27日までと思っていた自分史の小論文ドラフトの締切が、実は今日の午後11時59分までだった。あ、これはいかん、と思い、午後4時に見学会が終わると同時に急いで寮に戻って、4時半から午後6時までに最低限のドラフトを仕上げてアップロードする。よし、これで宿題の一つは片付いた。

先の宿題を急いで仕上げたのには理由がある。それは今日、午後6時半からバルティヤーム駅の向こうにあるテレスキビという場所で、日本酒のテイスティングの会があるのだ。大学の前から1番のトラムに乗って大急ぎで会場のレンダブタルドゥリク・レストランに行く。日本酒テイスティングには、5分ほど遅れたがなんとか始まる前に着いた。会場には6人の参加者と主催者のジェロームが待っていた。

テレスキビの街並み。いわゆる飲み屋街だ。
今日の会場のレンダブタルドゥリク・レストラン。日本酒テイスティングは階段を登って2階へ
日本酒ソムリエのジェロームとテイスティング参加者たち。

大吟醸から始まって、純米吟醸を2本、それに生酛まで、厳選された日本酒4種類をジェロームの解説付きで味わう。軽いつまみ付きで35ユーロは割安感がある。最後に残ったお酒を全て飲み干して、午後9時過ぎにテイスティング会が終わった。本当に楽しい会だったので、次回もぜひまた来たい。

一本めの大吟醸、京都の神聖
2本めの純米吟醸、加賀の常きげん。世界の酒ソムリエたちは石川を応援しているそうだ。
3本目の純米大吟醸、奈良のやたがらす
4本目の生酛、神奈川の夏ヤゴ13

来た時と逆にトラムに乗って大学寮に帰る。明日は朝が早いので今日はこれで寝る。

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