エストニアで日本の教育制度を考える
12月6日金曜日 曇り
曇っていても、地面の雪が一部解けていても、体感温度はすごく低い。昨日はGlobal Education Change(GEC)のクラスでの報告資料を手直ししていて、午前3時まで起きていた。今朝も午前9時から起きてさらに気になったところを修正する。だから散歩は休みだ。
GECのクラスは僕のルームメイトのミトラも取っている。彼と一緒に午前10時にキャンパスのテラ棟4階、T−415号室に出頭すると、すでにマティ・ヘイドメッツ教授が待ち構えていた。少し世間話をした後、すぐに報告資料の説明に入る。日本と日本の教育制度の概観、最新のPISAテストの結果の分析、文科省作成による小学校のビデオ、教育制度上の問題点の議論、歴史的に見た教育改革の歩み、それにさらなる改革案の提案などの内容だ。マティ教授もドラフトを気に入ってくれたようで、いくつか追加情報が必要だが、内容はお概ねOKだ。
内容に関して一部補足する。PISAテストというのはOECD(経済開発協力機構)が行っている国際学力テストの名称でProgramme for International Student Assessmentの略語だ。3年に一度行われ、最近の2022年の結果では日本はシンガポールに次いで堂々の世界第2位だ。教育費がGDPに占める割合を見ると日本は3.5%とOECD平均(4.9%)よりも低い。この比率が日本より低いのはシンガポールとアイルランドの二国だけだが、これらの国の一人当たりGDPは日本の3倍以上あるので、世界ランキングを考えると日本の教育費のコスパは非常に高い。ただ、これは必要なレベルの教育投資をしていない、という解釈もできる。
日本の教育改革の歴史に関しても報告する予定だ。平均GDPの推移や主な出来事と一緒に比べてみると、いろいろな読み方ができる。僕的には最近の日本の教育改革の方向性には素晴らしいものがあると思うのだが、その規模や取り組み度合い、実施上の困難や社会・経済界との協働性の不足など、問題点は多いと思う。
教育のサービス業化・二極化・教師の地位低下・IT教育の功罪など、日本の教育制度の問題点をマティ教授といろいろ議論したが、彼はエストニアも全く同じ問題を抱えている、と言っていた。来週木曜日には他の国の教育制度の報告も含めて、小規模のコンファレンスを開き、皆んなで議論する。楽しみだ。
授業の後、ミトラと一緒にキャンパスから歩いて10分のラーメン太郎にラーメンを食べに行く。今日のランチスペシャルは担々麺で、通常11.9€が8.5€になっているので、これを食べる。僕の分は麺カタでお願いする。二つに割ったゆで玉子と辣肉がたっぷり入っていて美味しい。
食べ終わってキャンパスに戻る。ミトラはそこからバイトに行く。僕はまっすぐ寮に帰る。とにかく寒いので、一旦戻ってくるともう外には出られない。おやつに玉子焼き、夕ご飯はヨーグルト、食後にクラッカーとフムスを食べて、午後から夕方を部屋の中でまったり過ごす。溜まっていた漫画を読み、ゲームで時間をつぶしたらもう夜だ。この週末は何も用事がない。久しぶりにのんびり出来る。