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法学部コンファレンスとエストニア語サロン

10月4日金曜日 晴れ
今日は少し暖かい。といっても8℃だが。午前7時半に寮を出て、いつものコースで散歩に行く。基本的に僕の散歩コースは1)カドリオル公園方面、2)フェリー埠頭、および3)旧市街外縁のどれかを組み合わせたもの。大体、1)が5km、2)が2km、3)が6kmだ。今日は1)と2)だから10.5kmだった。カドリオル公園では楓が黄色に、海沿いの道ではナナカマドが赤に色付いていて、秋の深まりを感じる。

カドリオル公園の楓


海沿いの道で見つけたナナカマド。紅葉している。

寮に戻って身支度を整えて、AIと法学のコンファレンスの2日目に出席。AIと人権、AIとデモクラシーなど、興味深い内容が並ぶ。合間のコーヒーブレイクでは軽食が出て、朝ご飯が助かった😅。

2日目午前の部の基調講演。マドリッド大学のアウスアテギロイグ教授。
今日のテーマは「権利と民主主義とマシンと」だ。

午前中後半のセッションの最後の講義は、アムステル大学のランジング教授による巨大テクノロジー企業のリスクに関するプレゼンテーション。米国のGAFAMと並ぶインターネット企業にPalantir Technologiesがある。この企業は米国政府のセキュリティ関連機能を受注して大きくなったらしい。この分野での独占的地位を利用してトランプ政権下やコロナ禍の米国でのヘルスケア関連案件でさらに業容を拡大させたらしい。B2G企業なのであまり表には出てこない企業だ。教授はスフィア・トランスグレッションという概念を用いて、ある分野(この場合セキュリティビジネス)での独占的地位が他の分野(例えばヘルスケア)に広がり、巨大IT企業が圧倒的地位を築くことによる弊害やリスクに警鐘を鳴らす。僕はこれは中国でBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)と共産党政府が普通に行なっていることだと理解している。中国での個人情報の活用度合いの広さ・深さと相まって、中国のAI技術やITビジネスモデルの進展は著しい。講義後のQ&Aセッションで僕は教授に、中国や米国がAIをあらゆる分野で活用し既にリードしている分野をさらに発展させているのに、欧州がAI規制などの問題を議論に終始して技術的に完全に遅れるリスクはどう評価するのか、と質問した。これは日本の問題でもある。しかし教授はそのビジネスリスクや技術競争に遅れるリスクはほとんど考慮していなかったようだ。そこからパネルディスカッションに参加している他の教授なども入り混じって活発な議論が交わされたが、結局は欧州は最初に規制の議論・合意なくして技術的に前に進むことはない、との論調が大勢を占めていた。僕は米・中と日欧のAI技術進展の方向性とレベルの違いは今後ますます広がっていくのだなと思いながら聴いていた。

ランジン教授のプレゼンテーション
とても興味深い講義だった
巨大IT企業による独占のリスク
でも国際的な技術競争・事業競合上のリスクは考慮しなくて良いのか?

午後は僕の本来の教育学の授業があるので、AIと法学コンファレンスの午後の部は参加できなかった。午後2時15分からのLearner’s Refelectionの授業で前回の企業訪問の報告レポートをみんなで読み直し、それに関して議論する。今日の授業は90分と短く終わる。その後は遅い昼食(あるいは早い夕食)を食べに、フリーダム広場のPho Barに行く。そこでお気に入りのフォー(ベトナム風牛肉麺)を食べて、落ち着く。

Pho Barのあるタタリ通り
Pho Barの店内。カフェみたいで洒落ている

その後、午後7時からのESN学生会主催のエストニア語会話サロンに参加するために、旧市街サウナ通りのRuddy Barに行く。エストニア人に加えてフランス人やベラルーシ人、インド人などの新しい友人たちとエストニア語での会話練習ができて有意義だった。エストニア語を使ったゲームもあり盛りだくさんの会が午後10時ごろまで続いた。

ESN学生会御用達のRuddy Bar
エストニア語会話サロンの様子
みんなでゲームをしながらエストニア語を学ぶ
エストニア語の単語を使ったビンゴゲーム。どれだけわかりますか?

その後、旧市街Viru塔付近にある行きつけのバー、Shimoに行ってもう一杯だけビールを飲む。飲んでいると法学部教授のPhilが同僚の教授(Chuck?)を連れて飲みにきたので、昨日今日のコンファレンスの話題で盛り上がる。午後10時を回って皆んなはまだ飲んでいたが、僕は明日も授業があるのでその辺で失礼する。トラムで寮に帰り、寝る。結構長い一日だった。

PhilとChuck。もう既に結構酔っていた
Shimoの店内。みんなをおいて僕は先に帰る。右でインベーダーゲームをしているのはオーナーのロブ

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