お小遣いが子どもに与える影響とは
娘がまだ小学生の頃の話です。
ある日、テストで100点を取って帰って来ました。
そして、「100点とったから、お小遣い1000円ちょうだい!」と、唐突に言ったのです。
「は? なんで?」と聞き返すと
娘曰く、クラスメイトの中に、テストで100点を取るとお小遣いを1000円もらえる子がいるのだとか。
今から10年以上前ですから、
小学生にしては結構な金額です。
「ねえ、1000円」と、せがむ娘。
私は心の中で、なんという約束をする親なんだろう。お金で釣って勉強をさせているのだろうか。内心モヤモヤしながら娘に言いました。
「お母さんは、一度もそんな約束をしたことないですよ。あなたは、お金欲しさに学校で勉強しているの?」
「あなたが生きていくために必要な事を身に着けるために学校で勉強しているんじゃぁないの? お小遣いがもらえないなら勉強しないなんていう子どもに育てたつもりはありません」
娘は、まるで絵に描いたように、がっくりと肩を落として、しゅんとしてしまいました。
それもそのはず。娘にしてみれば、自分もお小遣いをもらえると思って、100点の答案用紙を持って帰ってきたのでしょうから。
それに、100点満点を褒めてもらうどころか、文句まで言われてしまったのです。
元々おとなしい性格で、親を困らせるようなこともしない子だったので、母親からの厳しい言葉にどれほどショックを受けたことでしょう。
その顔を見て、あっ、しまった。
言い過ぎた? 言葉キツかった?
そう思っても、あとの祭り。。。
将来娘が、見返りを求めて行動を起こすような人間になって欲しくない。ただその思いで言葉をかけたのだけれど、娘がどんな心境だったのか、もっと丁寧に寄り添う事ができたら。
お金について、勉強について、優しい言葉で話して聞かせることが出来ていたら。
あんなに娘を落ち込ませることもなかっただろうに。自分の未熟さが恨めしくなる苦い思い出です。
最近は、国を挙げての投資熱に沸いているかのよう。もちろん今の社会システムでは、お金は、物やサービスと交換するために必要です。だからと言ってお金さえ手に入れば、少しでもお金が増えれば、そうやってお金を得ることだけが目的になると、人生を踏み誤ってしまいます。
闇バイトで、簡単に大金が手に入るからと、犯罪に手を染めてしまう人たちがいます。
今日は中高生が逮捕されたと報道されていました。
子どもたちにお金について伝えていくことの重要性を教えられたような事件でした。
是非、皆さまには、このマガジンのバックナンバーをお読みいただければと思います。
お金って何なのか。私たちにとって幸せとは何なのか。忙しい日々の中で見過ごしてしまっている事に気づいていただけるのではないかと思います。