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夏休みが終わるころ感じてきた思いが本当に大切なことに気づかせてくれた話

最近、子どもたちの貧困問題が聞かれるようになった。
給食がない夏休みは、一日2食の生活で、休み中に旅行に出かけることのできない子どもたちも多くいるという。

私の子どもの頃は、ありがたいことに3食食べさせてもらってた。
ただ、夏休みに家族旅行など行った事はなくて、絵日記に描けるようなイベントも、楽しい思い出も何もなかった。
クラスメイトにおすそ分けできるお土産も当然何もない。

そんなわけで、始業式の日は気が重かった。
みんながワイワイ楽しそうにおしゃべりしている輪に入れなくて、遠巻きに眺めていた。

だからなのか、夏休みが終わろうとするこの時期、新学期が始まることへの恐怖心が、トラウマのように思い出されて、今でも何となく嫌な気持ちになってしまう。
いい歳をして情けないことだ。

ところが、そんな私のへたれを吹きとばすような話を聞くことがあった。

朝ドラ「虎に翼」のヒロイン、伊藤沙莉さんが、TVのバラエティ番組で話されていた。
小学生の一時期、経済的に大変困窮して、住む家もなくなり兄弟とも離れ離れで、知人宅の物置のような所に寝泊まりすることになったという。そのような生活で、学校に行っても楽しい話題にはついていけない。
でもその時、彼女は、自分に話が振られないようにクラスの友達に次々と「それで、あなたはどうだったの?」と、次々と話を振っていく立場に立つことで、自らの話をしないで済むようにしたのだとか。
お母さまが女手一つで生活を立て直し、やがて家族そろって暮らす日がやって来た時、狭い部屋でも、とても幸せだったという。

何故なら、家族そろって、ぎゅーっとくっついて生活できたから。

お金がないことは苦労を強いられる。
それは、今の世の中では致し方ないこと。
だから、お金があったら、良いなと思う。
だけど、お金がなくて苦労することが全て悪いこと、不幸なこととは言えない。

たとえ、金銭的に不自由になったとしても、家族がお互いを大切に思い、支え合い、心をひとつにして生きていくことはできる。そのことを教えられたように思った。

多くのお金や物を所有しないことで、むしろ家族の愛が際立って見えてくるのかもしれない。
金銭の多寡がそこに入る余地などない。

ひとは、愛そのものとして生きることで、何よりも幸せを感じることができるのだ。


今年は記録続きの酷暑だった。
それでも、夜になると虫の音が聞こえてくる。
秋の気配を感じながら、大切なことに気づかせてくれた今年の夏にも感謝しよう。

優里さんのこの歌を、最後にどうぞ。




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Mika Moriya*ミカモ
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