ネットは悪者呼ばわり

放送大学で、今期は「司法・犯罪心理学」を履修している。
この印刷教材を読み、放送授業を聞くのが、非常に、非常に辛い。

なぜか。
このネット社会およびSNSの普及のせいで生身の人間のあたたかさというものを感じられなくなり(感じづらくなり、というニュアンスですらない)、多くの少年が非行に走る、というような中身になっているからだ。
しかも被害者支援より加害者の更生、精神的な援助に、少なくとも前半の講義では文字数を取っているように思える。

納得いかないどころのレベルではない。
不快この上ない。

100%事実なら反論しようもないのだが、ネットやSNSが一体どれだけの直接的な原因になっているのだろうか。ちゃんと調べたのか?という疑問しかない。調べていなさそうな気しかしない。

講師のプロフィールを見てみる。
現在60代といったところか。
……古い。
考え方の古い世代である。というか私の親とほぼ同年だ。ああ、わかる……古臭い考えの世代だ。

ネットの普及により人間のあたたかさが感じられなくなり、人間関係が希薄になり、それが非行の原因というなら、

私は高専生の時に非行に走りまくっていただろう。
今生きているかどうかすらも怪しい。

私は現在30代も半ばであるが、私の高専在学時代には既に放課後のネットは使い放題だった。学校の課題以外にも使えた。そりゃネットゲームをしたり掲示板等で匿名の他者と交流したりするわ。当然だ。
ネットで得た知識は財産である。また掲示板での書き込みの雰囲気はあの時代に学んだ。情報系の学科のためリテラシーはいやというほど叩き込まれた。

ネットが何であるかわかりもしないのに勝手に悪者呼ばわりしないでほしい。

正直、司法関係については全くと言っていいほど無知であったため、司法心理学は最も取りたい授業のひとつであった。
それだけに期待値を大幅に下回っている、というか斜め下もいいところなこの内容、どう受け止めれば良いのか分からない。
少年非行が「更生」に重点を置き過ぎているし、虐待等のトピックスに関してもあくまで加害者視点で加害者のメンタルケアに傾倒してしまっている気がする。

この授業の内容に、加害者はいても被害者はいない。

そんな気がする。

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