「社会資本」とビジネス。「ネイバーズグッド」に今足りないもの。

前回は「ネイバーズグッド」は「社会資本」を生産しているというお話をしました。

「社会資本」は、私たち人間が幸福を感じるために欠かせない要素です。

社会の現状に目を向けてみると、地域コミュニティーの希薄化に加え、リモートワークやあらゆるハラスメントの顕在化をはじめとして、職場関係も希薄化が進みます。

こういった人と人との関係や絆が細くなるというのは、「社会資本」の欠落を意味します。

かつては、共同体のつながりは強いものでした。ある地域に住んだり、どこかに就職することで半ば自動的に「社会資本」がつくられていたように思います。

"しがらみ"という負の側面もありました。反動で個人主義が進み、気楽な方向に進みましたが、それで社会が良くなっているかどうかは、今みなさんが感じられている通りだと思います。


さて。
今回はそんな「社会資本」とビジネスの関係について考えます。

こういった人のつながりや助け合いは、非営利やボランティア、福祉が担う印象があります。

しかし、起業前より長年、ボランティアや非営利に携わってきた経験より、やはりそれはある程度の「お金」と「時間」の余裕があってこそできることだと切に思います。

「お金」と「時間」に余裕があり、かつ「社会に向けて貢献したいという意欲がある方」、となるとより絞られてくるかと思います。

町内会という組織の実態がそれを如実に表しています。
加えて、町内会は街の自治に欠かすことのできない組織ですが、求められることに対して、有志で貢献できる範囲を超えてしまっています。

落ち葉はきや掲示板への掲示など一つ一つの作業もとより、地域の声を訊き、課題を洗い出し、行政への橋渡しを行い、地域課題の解決へつなげる。防災についても一定の責任を背負います。

また、同じような共同体として、商店街もあります。彼らは商人です。

商店街の仕事をしたところで、そのお店には金銭的な利益は生じません。
でも必要なこととして、加入者しかり行政からも活動を求められます。


それなりのスキルと実行力が必要で、気持ちだけで街を支える構図にはもう限界がきています。
ボランティアで貢献すべきもの、というマインドはアップデートさせなくてはいけません。

抱える社会問題の解決のための資金を集め、"技術的変換"をもって革新性ある解決策を見出し、継続的に実行していかなくてはいけません。

"技術的変換"が一つのポイントであり、ここが非営利と大きく異なる点だと考えます。

企業は、インプット(原材料など)を市場から買ってきて、それに技術的変換を加えてインプットよりも価値の高いアウトプット(製品あるいはサービス)をつくりだし、それを市場で売って(つまり売上)を得る。その売上から、技術的変換のインプットとして企業が外部から購入したものの金額を差し引いたものが、付加価値と呼ばれる指標である。

経営学とはなにか 伊丹敬之 (著)


また、企業という存在の本質の部分において、もう一節引用をします。

企業というもののイメージを聞かれると、多くの読者から「利益を追求する組織」という答えが返ってきそうだが、それは企業をどのように定義するかによる。ふつうの国語辞書で引くと、事業を行う営利体、という定義がのっている。営利とは、利益目的を持つ、ということである。しかし、企業という言葉は、公共目的のための事業体にもたとえば「公企業」という形で使われる。空港を運営する会社などである。
では、より広い意味で捉えられる企業という存在は、どのように定義されるものなのだろうか。この本では、つぎのように定義することにしたい。
「製品・サービスの提供をおもな機能としてつくられた、人と資源の集合体で、一つの管理組織のもとに置かれたもの」

経営学とはなにか 伊丹敬之 (著)

そして、非営利活動というのは、お金や解決のサイクルが回るシステムができあがっている状態でこそできるものと考えます。新しいシステムを生み出す必要を感じている僕たちにとってはその手段は合いません。
利益を投資して、これからの社会に必要な新しいシステムをつくっていかなくてはいけません。



ここでやっと本題である「社会資本」を「金融資産」に替える話になってきますが、単純にビジネスです。

今、お金回りにはとても苦労を強いられていて、先輩経営者の方々に相談し、アドバイスをいただいています。明快なビジネス思考の視点から考えると、その解決は至ってシンプルでハッとさせられました。(こういった貴重なアドバイスをいただける関係を持つことができているのも「社会資本」のおかげです)


僕らに足りないのは商品です。

デザインやホームページ制作という商品は持ち合わせはいますが、僕らが持つ「社会資本」に対して、それを購入できる人は非常に限られてしまっています。

今、このnoteを読んで下さっているあなたにネイバーズグッドの商品を買っていただけるようにしなくてはなりません。

ネイバーズグッドを商品化するためには、段階を踏んでいかなくてはなりません。開発におけるお金と期間もかかってきます。

でも、やるべきことは見えてきました。

少しずつアウトプットをし、あなたの手元に届けられるようにしていきます。

次回は、ネイバーズグッド商品化の第一段階目について書いていこうと思います。


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