ミッキー大槻

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【なんでも評点】ライターが特定の記事を検索上位に表示させるSEOテクニックは幻想である

【なんでも評点】ライターが特定の記事を検索上位に表示させるSEOテクニックは幻想である コロナ禍以降、ネットのfreelance matching site(ランサーズやクラウドワークス)で仕事を探すことが増えた。翻訳でもライティングでも、SEOが要件に加えられていることが多い。SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略語なのだが、虚実が混合した用語である。ライティング業界からの批判覚悟で極論を言えば以下のようなことになる。

    • Bribe Beast 01 - I. Snow in AfricaI

      Someone says snowfall in Africa is not merely a myth. I left Japan in the early summer of 1984, heading to the southern part of the African continent. The further south you go in Africa, the cooler it gets. When you fly across the equator,

      • 野ラーメン《Section 4》

        米国で同時多発テロが起きてから2か月後、ダイヤは叔父から譲られたBMW528iの助手席に杏子を乗せて、三重県尾鷲に向かった。出発した時間が夕方だったので、国道169号の高見トンネルを抜けたあたりで暗くなった。 あまり知らない夜道を走るのは疲れる。だから、予約の要らない山間のホテルに泊まる。予定どおりの行動だった。逆スラントした鼻先を、ほとんど枯れたコスモスの花畑がある庭に突っ込んで駐車すると、枯葉のように風に吹かれて合掌造り風の建物へと歩く。 2か月ぐらいでは、日本国民か

        • 野ラーメン《Section 3》

          ノラと会うようになって一年目ぐらい――杏子と付き合い初めて間もないころ――、ノラの卓越した相貌認識力をテストしたくなって、警察がネットで公開している指名手配犯の写真をA4の用紙にコピーした束をノラに渡したことがある。ダイヤの相貌認識力は人並みか、それ以下だが、ある屋台の店主が二十年以上前の左翼活動家に似ているような気がしていた。 そのテロリストの指名手配写真が、ダイヤの借りている月極駐車場の横に長い間貼られていて、頭にインプットされていた。飽きるほど写真を見た人物だから、た

          プロフィール

          職業は、前世紀からフリーランス翻訳者&ライター。 本籍は京都市中京区だが、京都の地理はあまり知らない。大阪育ちだが、東京で5年ほど暮らした。南アフリカ共和国Johannesburgでも3年ほど。 翻訳業は長くお付き合いしていた翻訳会社数社が翻訳事業から手を引くなどして、以前の10分の1まで激減。ライターと翻訳者の中間のとうな曖昧な立ち位置で生活中。 NOTEには、以前から温めていた小説を英語で書く予定。題してBribe Beast (賄賂の獣)。若者がアフリカ南部で共産

          野ラーメン《Section 2》

          ノラと最初に出会ったのは、三月半ば過ぎの暖かい日だった。皆が無造作に菜の花と呼んでいるセイヨウカラシナの黄色い花が咲き始めていた。 一か月ぐらいして携帯に公衆電話から着信があった。ノラは、まだ携帯を作っていないと話していた。だからダイヤは自分からノラに連絡する手段を持たなかった。保険会社の営業所の所在地は聞かされていたが、乗り込むほどの重要な用などない。 「あー、流香やけど。久しぶり。今日の夕方忙しい? また飲みに行こ」 ノラは美しくて魅力的かもしれなかったが、恋愛感情

          野ラーメン《Section 2》

          野ラーメン《Section 1》

          人は言葉の一句の中に奇跡や退廃や文学を住まわせることだってできる。退廃した文学者の残滓を散りばめた氏名を持つこのフィクションの主人公、宰津大冶(ザイズ・ダイヤ)がノラと出会ったのは、大阪市北部の大地を引き裂いて流れる淀川のほとりだ。小説家を文学者呼ばわりするのはおかしくないか。それは、ダイヤをレーサー呼ばわりするのと変わりない。ダイヤは自動車を売りさばいているがレーサーではない。自転車で河川敷を乗り回しているがレーサーではない。 まだ二十八歳で、毎日河川敷を自転車に乗って自

          野ラーメン《Section 1》