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真に価値あるマーケティングは「上手になること」かもしれない

毎月通っている美容室で、カットしてもらいながらこんなことを思った。
「そもそもこの美容室は妻からの紹介だったな。毎月かかさず来るのはカラーとカットにずっと満足しているからだ」と。

家から2〜3駅先にあるお気に入りのお惣菜屋さんも、広告なんてみたことはない。美味しかったから何年も通っている。

自分が身につけているもの、好いているものをあらためて見渡すと、広告をはじめとした「マーケティングコミュニケーション」をきっかけに買ったものが、果たしてどれほどあるだろうか?という疑問に駆られた。


商売繁盛させるために、あれこれと手をうつもの。

ブランドイメージを見直して、広告を打って、転換率を上げるためにクーポンを発行。
ファンになってもらいたいからとコンテントマーケティングを行い、定期的にメディアに向けてプレスリリース。

自分の仕事柄、こういった手段を提案することが多い。

特に疑いもせずやってきたけど、何もすることのできない「ヘアカット」という時間に、鏡越しに髪を切るプロを眺めながら、「どうしてこの美容室に通うのか、どうしてわざわざあの惣菜屋さんへと足を運ぶのか。」というとても良い問いに出会えた。

その問いに対する自分なりの答えが「上手だから」だと気づいた時に、SNS運用だったりサイトリニューアルだったりデジタル広告だったり、商売を上手く回そうと考えるマーケティング戦略のあれこれが表層的に思えてしまった。


正直、上手だからと人が集まるのには時間がかかる。
少しずつ少しずつ野菜が実を大きくするように、ちょっとずつ相談の数が増えてくる。

バウムクーヘンが大きく焼けていくように、
少しずつ真ん中の軸をぐるぐると回しながら太らせていく感覚。

人は、せっかちな生き物だから、結果が早くみたくてあれこれと手をうつ。SNSアカウントに投稿し、広告に課金し、既存客へとメールを送ったり。

少し立ち止まって見直して、その時間とお金を「今よりもっと上手になること」へと投じた方がいいのかなと考えてしまった。

「マーケティング」というボヤッとした言葉を「商売の巡りがよくなるための計画と行動」と言い換えたとき、一番に成果をもたらすのが「上手になること」だと思えてしまったという話でした。

#マーケティング #持論 #仕事の話

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やっさん(Yasuhiro Ishikawa)
サポートいただけたら、嬉しくて本屋に行くと思います・・・笑