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SEX冠ツアー2024 アメリカ村DROP 6月30日

ヘビーメタルの未来は明るいのか?
そんな切り込みから書き始めたこのnoteだが、いつもメタルのライブを観る度に思っている事でもある。

同世代バンドのSEX MACHINEGUNSとTHE 冠。その2バンドの対バンが約4年ぶりに行われた。私はSEX MACHINEGUNSのファンなのだが、THE 冠に関してはよく対バンしている相手、程度の知識しかなかった。

今回ツアーファイナルが大阪ということで、何の気なしに応募したらA30番台という良番。FC先行がなかったのもあるが、今回はかなり運が良かったのではないかと思う。DROPには何度も足を運んでいるが、今日はほぼソールド並みの客入りの様に思えた。とは言えすし詰めという程でもなく、適度な距離感がありつつLIVEが観れたのはとても良かったと思う(後方は知らないが)。

して、今日のライブである。
オープンは17時半、スタートは18時。30分のインターバルで入場を済ませなければならない。良番のおかげで早く会場入りできたが、前方は既に埋まっており、3列目に陣取るのが限界であった。地下のライブハウスは電波が悪く、携帯を見て時間を潰すのも若干大変であった。複数人の場合は会話していれば良いが、ソロでライブに参加すると、オープンまで暇になるのがたまにキズである。

約5分ほど押してスタート。まずは今回のツアー2バンドのボーカル、Anchangと冠 徹弥が登場して軽くトーク。AnchangはMEGADETHのTシャツを着ていた。トーク内容は、主にこれまでのツアーの振り返り。数分ほど話して捌け、またインターバル。どちらのバンドが先に出るかは未定だったが、機材の雰囲気からTHE 冠が先だと予想していた。そしたら本当に当たって驚いた。

先述した通り、THE 冠に関してはほとんど知らない私。約10曲を演奏したが、何一つ分からなかった。しかし、徹弥の見事なMCで曲を知らなくても楽しくノる事が出来た。SEX MACHINEGUNSほどフリがある訳では無いが、拳やヘドバン、ジャンプに折り畳みという基本的な動きは押さえていたと思う。

ギターはK-A-Z、ベースはモモ。ドラムはユースケという鉄壁の布陣。長年THE 冠のサウンドを支えてきた名プレイヤー達だ。しかしモモとユースケはスキンヘッド(ユースケはバンダナをしている)、 K-A-Zは巨体にドレッドじみた髪型、タトゥーバリバリという風貌なのでバンド自体がチンピラにしか見えない。

これが日本のヘヴィメタルバンドだといわんばかりの威圧感がある。極めつけはボーカルの冠徹弥。その名の通り鉄の冠を被り、首には鎖を巻き付け、全身に鎧を纏った誰がどう見ても「ヘヴィメタル」だ。しかし下半身は意外と軽装で、特に股間周りは黒のブリーフパンツが見え隠れ。お尻にはデカデカと「冠」の文字がプリントされており、茶目っ気もタップリだ。

して、THE 冠の演奏である。
もちろんステージのメインはボーカルである冠徹弥なのだが、K-A-Zのステージングが強烈に印象に残っている。
先述した通りデカい図体とコワモテの見た目、更に民族メイクと白系カラコンと役満だ。この男がギターを掻き鳴らし、時には激しく、時にはセクシーなステージングを繰り広げるのである。

K-A-ZのギターはSchecterで、基本的には重低音の極悪リフが多い。しかしギターソロは早弾き、タッピングだけでなく叙情的、時にエモーショナルな溜めのある演奏も多い。特にアーミングは絶品で、ガニ股で激しくアーミングを行う姿は圧巻であった。

K-A-Zの話ばかりしてしまったが、決して他のメンバーが目立っていなかった訳では無い。K-A-Zの存在感が大きすぎて、少し目に入りにくかっただけなのだ。そう、ボーカルの冠まで食らう程のオーラとステージングをK-A-Zはやってのけた。

セットリストは不明だが、約10曲程演奏したのは覚えている。程よくMCも挟まれ、体力的にも嬉しい。MCは冠のみが基本的に行い、ベースのモモが冠に振られて少し喋った位。K-A-ZもユースケもMCは無かった。ヘヴィメタルバンドはそれで良い。サポートメンバーは職人であり、実に硬派だ。

THE 冠の出番が終わり、転換に入る。次のSEX MACHINEGUNSの機材セッティングの為、幕も1度閉じられた。
ライブが再開されるまでの間、しばし待っていると後ろから大きな声でヤジが飛んできた。

「まだかー?!」「いつまで待たせんねーん!」
「はよ出てこいや!!」

大方こんなセリフだったと思うが、最低である。
バンドのノリというか、ファンの中でお決まりとして起こる流れであれば分からなくもない。
しかし、そこまで毎回SEX MACHINEGUNSのライブに来ない私でも分かった、「これはダメなタイプのヤジだ」と。声のトーンも喧嘩腰だし、これは明らかなヤジだ。イジりでは無い。

こんなヤツがSEX MACHINEGUNSのファンだとは思いたくない程のクソヤジだった。もしかしてTHE 冠のファンだったかもしれないが、どちらにせよ恥ずかしい。ドラムのトーマスがそのクソヤジに対して、チェックがてらにドラムで反応してくれた。トーマス、そんなヤジに付き合う必要は無いぞ。ヘヴィメタルは機材のセッティングに特に時間がかかるイメージがある。それぞれの楽器の主張が大きすぎて、何を弾いているか分からないからだ。それを調整する為にも、どうしても長めのセッティング時間になってしまう。

そういう事情も知らずに、ただ自分の欲望の為にヤジを飛ばしたクソ野郎は、その後ライブ中のMCでベースのシンゴから注意されていて、良い気味だったのを覚えている。

シンゴ「おい、さっき準備してる時にヤジ飛ばしてきたヤツ、あれはダメだぞ!周りの人が引いて、せっかく上がってた気分も下がっちまうからな」まったくその通りである。そのシンゴのMCに対して、特に謝罪も無かった。どこまでもクソ野郎である。

クソ野郎といえば、もう1人。これもTHE 冠の出番が終わり、SEX MACHINEGUNSを待っている時である。

私の右後ろ辺りで、バカでかい声で男がボヤいていた。詳しい内容は不明だが、前が見えなくて不服だったらしい。そいつは多分5列目位だったと思うが、何様だ。というか身長が低い人が言うならまだしも、そこそこの身長で見ようと思えば工夫して見える位置に行ける感じがあった。先述した通り客同士の隙間は割とあったし、本当に何様?って感じだった。

大の大人が自分の思い通りにならなくて喚いている悲しき光景。これも詳しくは不明だが、前列の女性がそのクソ野郎に場所を譲ろうとしてくれていた。そんな事しなくて良いのに。クソ野郎も少し理性を取り戻したのか断っていたが、そういうネガな発言をデカい声で発する事で周りも気分が悪くなる事を理解していないのだろう。そのクソ野郎はTHE 冠のTシャツを着ていたので、冠ファンはボコボコにしても良いから矯正しておいて欲しい。

そんな一部のクソ客のせいで若干気分が落ちていたのだが、演者は悪くないと強く思い込む事により、ライブに集中する事にした。
最近SNSでよくある、「バンドの事は好きだけどファンが嫌い」という実体験を、まさかここでするとは思わなかった。割合にもよるが、今回は会場ギリギリまで客が入っていた中で、そのクソ野郎2人が目立っていた。

して、SEX MACHINEGUNSである。
セトリは恐らく以下の通り(順不同)

みかん
食べ舐め
くまさん
ジャパメタ
サンダー
JAPAN
愛人
語れ
桜島
BURN

まぁワンマンでは無いので、無難に無難すぎるセトリだった。去年から何度かワンマンを含めライブを観ているが、ほとんどこの中から演奏されている。ワンマンはこれに+して何曲か追加される感じ。

なのでぶっちゃけマンネリのセトリではある。私はまだ毎回ライブに参戦している訳ではないので楽しめているが、重度のマジンガーは飽きが来ているのではないだろうか?年齢が年齢なのであまり冒険しない気持ちも分かるが、そろそろ目新しい曲を盛り込んでセトリを変えていって欲しい所である。

とは言え今回も暴れに暴れたので、楽しかった事に間違いはない。桜島の回転ヘドバンや、ヘビーメタルサンダーのコーラス等、何度も動画で見て来た曲は身体がフリを覚えている。
今更になって気付いたが、SEX MACHINEGUNSはギターソロの時、私は大体ヘドバンしていて演奏を見ていなかった。そういう法則でもあるのだろうか。。。

語れ、涙!の前MCで誰が初めのフレーズを歌うかという話になり、スッシーがおもむろに歌うがキーを外してしまい失格。シンゴスターはLUNASEA風に歌うも曲に合っていないという事で失格。ツアーの恒例なのか、冠 徹弥が歌う事に。いつもサビの「葛飾より〜」という部分を地名を変えて歌うのだが、今回は安定の「大阪より〜」だった。普通に楽しかった。

毎回爆音なのであまり善し悪しは判断がつかないのだが、ヘヴィメタルだからそれでよし。盛大なやらかしは今回起きなかったが、シンゴスターがベースを1度思いっ切り落としてしまい、テック含めて焦っていたのが印象的だった。笑
今回のMCは割とコンスタンスに進み、スッシーもグダる事無く繋げていたと思う。トーマスの見た目がLUNASEAのRYUICHI(しかも昔のレイラ時代の方)に若干似ているのは気のせいか。

SEX MACHINEGUNSの出番が終わり、アンコール。今回はバックがSEX MACHINEGUNS、ボーカルがAnchangと冠 徹弥でカバー曲をやっていたのだが何だったか忘れてしまった。。。スコーピオンズ?
最後はK-A-Zも加わってMETAL FIREで〆。冠がK-A-Zを呼ぶ時に「カズさん来ないかもしんない。楽屋でロング缶7本くらい空けてたから…」って言ってて面白かった。そういう冠も3本飲み干しご機嫌な様子。

ステージに出てきたK-A-Zはビール片手に、それをメンバーに酒を飲ませるというパフォーマンス。冠とか盛大にこぼしてたし。飲んでいたのはアサヒの生ジョッキ缶だったか。

終演後、ツアーファイナルという事で全員で写真撮影。その後は物販で冠とK-A-Zに写真を撮ってもらってご満悦な私であった。

かなり端折ってしまったが、今回のライブレポはこんな感じである。冠がMCで言っていた内容が頭に残っている。

「我々と同世代でヘヴィメタルやってるのって、我々(THE 冠とSEX MACHINEGUNS)くらいじゃない?普段は仕事して、休みに趣味でやっている人はいるやろうけど、ド真ん中でやってるのは我々だけだと思います」

そう、ヘヴィメタルというジャンル自体がニッチで、昨今のオシャレ音楽とは真逆の存在。人気が出る訳ない。しかし、こうして唯一無二の世界観で、熱いライブがここにある。絶対に無くなって欲しくないムーヴメントだし、今後も流行る事はないかもしれない。しかし私はこれからもヘヴィメタルを聴き続けるし、応援するつもりだ。

ヘヴィメタル万歳!

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