リクルートの凄さ~強さの秘訣を徹底解剖~
皆様、こんにちは。ニット小澤です。
先日、病院へ行ったら「自費診療の方には、これを…」と先生から手渡された薄い物。先生が所属するバンドのCDでした。。。はにかむ様子の先生に、キュンキュンしてしまった土曜日のお昼ドキでしたw
さて、今日は「リクルートの凄さ」について書こうと思います!では、行ってみましょう~!
『起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』
3月に出版されたばかりの今話題の江副さんの本。
ニットの社長である秋沢が「めっちゃ面白い!!!これはみかぽんも絶対に読むべき!!!」と豪語しており、「まぁ、とりあえず読むかー」ぐらいに読み始めたら、、、「何じゃこりゃーーーー!めっちゃ面白いでないか!!!!!Σ( ̄□ ̄|||)」と転びそうになりました。
江副さんの半生を生々しく表現されていたり、登場人物がリアルだったり、ノンフィクションなんだけれども、もうドラマのようなジェットコースター感のある内容。
江副さんという伝説の人のことは、名前は知っていても、どういう人だったのかとか、リクルートの過去のこととか、あまり知らなかったな~と痛感。映画にならないかなー絶対に観に行きます!
皆様、是非とも、読んでみてください!
さて、そんな本に感化されて、改めて、「リクルート」という会社について、振り返ってみたいと思い、今回、noteを書いています。私は、たかが10年ほどのリクルート人生ですし、偉そうなことを言える立場ではないので、あくまでも、小澤の私見、ということで、読んでいただけたらと思います。
リクルートという会社
人が何か物事を選択をする際に、ここを見たら情報が載っているという情報のポータルサイトを扱っている会社ですね。よく「情報の商社」なんて言われていました。『起業の天才』にも、情報がお金になる!ということに目を付けた人たち、という書き方がされていました。
今でさえ、全然違うサービスも色々と展開されていると思いますが、何屋?って聞かれたら、回答に困る、っというシーンも度々でした。
リクルートとコザワ
私自身が、どんなキャリアを歩んだのか、ということをお伝えします。
▼コザワのリクルート経歴
2008年4月:株式会社リクルートに入社。中途採用領域の商品の運用・企画(スカウト型DMの企画・運用、パンフレット、カスタマー向けメルマガ等の企画・運用)
2009年10月:東海営業部代理店渉外(販売代理店の経営支援、販促支援、商品企画等)
2012年10月:首都圏営業(大手企業を中心とした採用・育成支援、組織コンサル等)
2016月4月:首都圏営業マネージャー(大手〜中小企業の30000社のマーケティング、メンバー50名の営業組織マネジメント)
2017年4月:リクナビ副編集長 兼 大学支援推進部首都圏マネージャー(大学の就職課題の解決に向けて、学生や保護者向けの講演や授業等を実施)
2018年2月:リクルート卒業
▼リクルートでは
営業として、企業の新卒・中途採用ニーズに加えて、評価・育成ニーズ等、経営を組織的な視点から支援することで、企業の事業成長支援に貢献。関わってきた企業は従業員1名の企業から日本のTOP企業、外資系企業、業種もメーカー、金融、官公庁、サービス業、医療、外食等、ほぼ全ての業種、企業規模を担当。マネージャーとしても、新人〜ベテランまで、幅広い層のマネジメント業務に従事。
とまぁ、キラキラしているようにみえますが、実に入社してから5年間は、泥臭くて、ダメダメの新人でした。
リクルート:新人時代
▼リクルートへの入社動機
・世界の変化仕掛け人になりたい→大人になっても青臭く夢を語っていたい
・将来、経営者の右腕になりたいから、そのための知識を得たい
・30代になって子どもを産んだ後も選択肢を増やすために、20代で死ぬほど働いて、経験値を増やし、自ら選べる人生で在りたい
本当に、入社後ギャップがありませんでした。今思っても、本当にリクルートに入社して良かった、と思っています。
中京大学という三流大学(中京の皆さん、ごめんなさい…)から、初めてリクルートへ正社員で新卒入社。完全に私はポテンシャル採用w
こんなバカだけど、勢いしか取り柄のなさそうなヤツを採ったら、どうなるのか?という実験だっただろうと思います。(今だったら、入社できていないだろうと思います…)
案の定、入社して、同期は東大京大に始まり、一橋、早慶上智、MARCH、関関同立…もう、そうそうたるメンツ。全国の優秀で、行動力もあって、熱量も高そうな精鋭たち360人。まぁー、それはそれは、すごい。激しかったです。しかし、私が入社した2008年の秋頃に、リーマンショックがあり、私の後輩は5年以上、ずっといませんでした。一番下っ端、ということもあってか、長い間、こんなポンコツな私に諦めることなくご指導いただき、社会人としての礎を築かせてもらいました。
当時は、必死に目の前のことを頑張りました。土日だろうとお客様先へ行って営業してましたし、徹夜する日も多々。3日連続徹夜をした日もありました。納得できないことはフロア中に響きわたるような形でトコトン戦ったりもしていました。先輩の提案資料をパクらせてもらったり、上司にどんどん飲みに連れてってもらって色んなことを教えてもらったり、とにかく吸収し、実行する。もう、それだけでした。
多分、教えがいのある分かりやすいポンコツ新人だったと思います。
リクルート:営業時代
営業時代は、日本を代表するナショナルクライアントを担当させてもらい、お客様の事業を我が事で捉えられるほど顧客を知り、全国各地へ取材で飛び回ったり、Qで1億ぐらいの売上作ったり、もの凄い忙しかったですが、とにかく充実していました。お客様と取り組んだ新たな採用手法がメディアに取り上げられたり、社内関係者も増えてプロジェクトとしてバカでかくなって、そのディレクションをするということもすごく学びました。
採用のみならず、評価、育成、組織風土醸成、離職防止…等々。人的リソースを扱うプロとしての責任を持ちながら、仕事をしていました。
一番アドレナリンが出まくっていた時期かもしれません。
リクルート:マネージャー時代
30歳になって、新規開拓部隊の営業マネージャーになりました。メンバーは多い時に50人ほど。みんな新人。そして、新規開拓なので、ゴリゴリのKPIマイクロマネジメント。
電話掛け数>商談数>受注数
この辺りを、とにかく毎日モニタリングし、KPIを達成していないメンバーは何でやれてないの?と笑顔で詰めるマネージャーでした。
50人ほどの組織で、リーダーが5人いましたが、そのリーダーも社内の別部署から異動で来てもらっていたので、未経験者。マネージャーもリーダーも未経験者です。だからこそ、本当にみんなで試行錯誤しながら組織を創っていきました。そして、マネージャーになるということは、評価者になる、ということ。したがって、メンバーとその家族の生活を守らねばならないというプレッシャーもありました。
グループ戦略は私が立てるが、チーム・個人の戦略をそれぞれ描かせるような仕組みを作り、勝ち癖を持てるような数字を追う風土醸成をし、グループを達成に導くことができました。
以下は私の31歳の誕生日に、メンバーが31本のレッドブルの誕生日プレゼントをくれた時の色紙ですw
さて。私の話はこれぐらいにして、いよいよ、リクルートがなぜここまで凄いのか?ということを解剖していきましょう!
リクルートの採用
起業の天才にも書かれていましたが、リクルートが圧倒的に拘っているのが、「採用」です。
▼リクルートの採用8カ条
以下、Twitterで600を超えるいいねをいただきました「リクルートの採用8カ条」です。
採用活動に、どれだけ本気で挑んでいるか?ということが分かりやすく表現されていますよね。よくお客様にも「採用を強化したいのなら、会社の中で、一番優秀な営業マンを人事担当にしてください」って言っていました。そうすることで、会社が採用に本気、ということが伝わりますし、口説き力が上がるので内定承諾率が上がります。まさに、リクルートでは、こういった標語を創って、掲げていることが、採用に本気であることの表われですね。納得です。
▼全員採用
採用も「全員採用」ということを実施していました。新卒採用の面接官として、社員全員が駆り出されて、面接をしていく。
▼全員採用のメリット
①面接の数を増やすことができる
②学生は色んな人の声を聴くことができる
③面接官の帰属意識が高まる
④面接官のリテンションになる
毎年、大量の面接数が発生する新卒採用。だからこそ、一般社員も駆り出されて、面接官トレーニングをし、面接に挑んでいました。そうすることで、面接官としても、学生に対して、「リクルートって、こういうところが良い会社だよ~」「僕は、こういった成長がありました」などというアウトプットをすることで、入社動機を思い出したり、リクルートって良いところあるよなーというリテンションに繋がります。
リクルートのマネジメント・文化醸成
思いだせる限りで、書き出してみました。一つひとつ、見ていきましょう。
▼圧倒的当事者意識
「君はどうしたいの?」と問われ続け、「じゃあ、やって」と任される。そんなことの繰り返しでした。だからこそ、自分で思考し、結局、自分がやるということになる。当事者意識を持たざるを得ない状況を新人時代から繰り返し繰り返し創ってもらい、トレーニングされてきたと感じています。だからこそ、「当事者意識は後天的に身に付く」ということを証明する体現者でありたいなと思っています。
▼WILLCANMUSTシート
これはリクルートマネジメントにおける真骨頂であるとも思っています。「WILL=3年後・この仕事で成し遂げたいこと」「CAN=得意なこと・苦手なこと」「MUST=今期のミッション」これらを、本人&上長の意見を書く欄がそれぞれありました。そして、半期ごとに設定して面談。Qでは進捗を報告する面談。私がマネージャーの時は、毎月やっていました。「会社からやれって言われたから」というやらされ仕事ではなく、「自らやりたい」と思っていることがあって、仕事を通じて、それを実現していけるようにすることが、やる気を引き出す重要なことだと思っています。
▼チームの相互理解
メンバーの幼少期、家庭環境、学生時代の過ごし方、子どもの頃の夢…等々、チームのみんなで、徹底的に深堀をし合い、価値観の源泉となるものをシェアし合うことで、相互理解となる場を設けていました。そうすることで、判断軸や好き嫌いなどが分かるようになり、コミュニケーションが円滑になっていきます。
▼顧客以上に顧客を知る
営業マンで飲みに行くと、終電を無くすほど、「お客様にこんないい仕事してる!もっとこんな挑戦をしたい!」と熱く語り合うシーンは良くありました。「顧客以上に顧客を知る」という言葉がある通り、「現地現物」で、とにかく現場を訪れて、お客様のことをワガゴトで捉えられるほど、徹底的に知り、自分なりに、担当顧客の事業課題の仮説をぶつけたりもしていました。3Cや4Pなどのフレームを使って、お客様の事業戦略→組織戦略→採用戦略に紐づけて、採用の提案をする。今、思うと、相当難易度の高いことをやっていたなぁと感じます。
▼達成は通過点
毎日、日報(=部・チーム・個人の達成率やランキング)が届き、自分の現在地を否が応でも、知らされます。ただ、目標は通過点。ヨミ表でABCネタと4段階に付けて、徹底的に、一社一社、どういう提案をするか?というヨミ会もしょっちゅうやっていました。更には、アスピレーション目標を個人で立てて、達成率が140%とかを目指していく、ということもやっていました。そうなると、目標の達成なんて通過点となっていきます。
▼会議で発言しないやつは次回から出なくていい
会議は建設的な議論の場。どんなに若手だろうと、発言をしない人は本当にいない、という感じでした。皆、それぞれが主体的に、その会議に挑み、自分の意見を発言し、「そもそも、目的なんだっけ?」「課題は?」「じゃあ、どうやる?」とみんなで話し合える会議で、緊張感と高揚感が溢れるものでした。
▼リクルートの口癖
Twitterで、2400を超えるいいねが付いたのがこちらです。
「文化とは口癖である」と言われるのですが、目指したい組織像を表す言葉が流行り、みんながそれを言うようになって、初めて、文化が創られるのだと思っています。こういった口癖が何となく創られ、広がっていくリクルートって凄いな、と改めて思います。(もしかしたら、誰かが言葉の開発をして、流行らせていたんじゃないか?とすら感じますw)
▼人材開発委員会
マネージャー以上が、メンバーの成長計画のブラッシュアップ、昇格や任用、人材配置の最適化などを丸一日かけて議論します。部の人数が多い時は、丸三日ぐらいかけて、やっていました。また、年に2回の評価も評価会議で議論していました。自分だけではなく、他のグループのマネージャーからのアドバイスや考え方を聞くことで、マネージャーの育成にもなっていました。
▼良い意味で、お節介
皆、とにかく忙しい。それでも、質問に行って、1聞いたら10返ってくる。更には「●●ちゃん、ちょっと困ってそうだね。話聞こうか?」「●●くん、あの態度しちゃうのは、勿体ないな。こういう言葉を使った方が良いよ」など、とにかく、皆、良い意味で、お節介なのです。そこには、愛があるからこそ、ですね。
▼あだ名で呼び合う
だいたい、最初の自己紹介で、あだ名が決まります。私は「みかぽん」「こざこざ」「こざっち」とまぁ、部署によっても違いましたが、こんな感じです。社長だって「峰岸さん」、部長だって「すみさん」、同期には「マダム」や「キャベツ」というあだ名の子すらいました。それぐらいフランクな関係性でした。
▼垂れ幕
新人にはその席の頭上に「いらっしゃい!」という垂れ幕。達成した人には、「1月達成おめでとう!」という垂れ幕。1・2・3月+4Qの垂れ幕となると、頭にかぶっちゃう、というのも、また良き風景でした。この写真がないのが、残念です。
▼表彰方法も独特
表彰する人の検討会議は、マネージャーたちの戦いでした。そして、選ばれた人は、その表彰状に、その人宛てのメッセージが書かれています。表彰状はマネージャーから本人への期待を込めたラブレターみたいなものでした。
▼ド派手な表彰会
年に4回のキックオフ。グランドプリンスホテル新高輪 にある「飛天」でのキックオフでした。
・キックオフ(社長メッセージ、MVP表彰など)
・HRアワード(各部署の価値ある仕事発表の大会)
・トップガン(各社からのイノベーティブな仕事発表の大会)
とにかく、「褒める」ということに対しても、圧倒的に褒めるという雰囲気でした。MVPで表彰されるメンバーは壇上に立って、まぶしいほどのスポットライトを浴び、赤いマントをまとって、大きなトロフィーを貰う。この仕事の価値や日々の感謝をみんなの前で発言する。それはそれは、社内で一気に有名人です。
下で見ているメンバーとしては、壇上に立つ人に憧れと嫉妬の気持ちを持ち、いつか自分も壇上に立ってスポットライトを浴びたい!と思い、更にはこれが自分たちの仕事の価値なんだと再確認できます。
また、「表彰する人=経営のメッセージ」なので、会社の方針として、どういう人を褒めるのか、ということも重要なことだということを学びました。
卒業者がリクルートのDNAを世の中へ
アルムナイについて発信したところ、こちらも700以上のいいねが付きました。
▼卒業者にも届く社内報
卒業を応援する風土があり、それを体現する例として、リクルートの社内報『かもめ』にOBOGとして取り上げていただきました。
このかもめの取材を通してリクルートの10年間で教わった「圧倒的当事者意識」や「期待して、信じて、任せる」という考え方が今でも活かされていることを改めて実感しました。
卒業した仲間と会うと、「最近、どう?」「どんな挑戦してるの?」という会話で盛り上がっています。そして、大体みんなリクルートで学んだことを、それぞれの現場で活かしているなーと感じます。
▼元リク
新しい出会いがあると、10人に1人は「元リク」なんじゃないか?というほど、元リクは世の中にたくさんいます。だからこそ、卒業者が「元リク」と言いながら、リクルートのDNAを伝播させていることで、どんどんリクルートの概念が世の中に広がっている事実がすごいなと感じています。
結局、みんなリクルートが大好き
やっぱり、リクルートは凄い。メンバー1人ひとりが、社会的意義のあることをやっているというプライドを持ちながら、「期待して、信じて、任せる」ことで、圧倒的当事者意識を醸成し、燃える常勝軍団を創っていく。
このnoteを書くことで、改めて、リクルートで10年間、働かせていただいたことを誇りに思います。「元リク」として恥じぬ行動を、そして、元々のリクルートの入社動機であった「経営者の参謀になり、世の中の変化仕掛け人になっていきたい」と思っています。
ただ、合コンで「リクルートです」は禁句ですw
ここまで読んでいただき、ありがとうございました~(^^♪
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