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庭仕事は大人の極上の楽しみ

私の庭仕事は亡父より実家を引き継いだ7年前から始まった。
若いときの私は庭とは無縁で蚊も多いから一歩も出てない。
引き継ぎ当初は庭にはビニールハウスやガラスの温室、3つの物置には大量に大人買いした園芸道具が残っていた。
父は人生を植物に捧げたような人だった。
庭は父の戦場であり城なのだ。


まずは球根

母がまだ実家に暮らしていた数年は草取りもしっかりし、生ゴミも埋めていたので土はふかふかでいい状態。
私と夫は大量のチューリップ、アネモネ、ラナンキュラスの球根を庭のあちこちに植えた。翌春は一面『秘密の花園』状態になった。

私の庭仕事が本格始動

母が施設に入ったあとは庭に転がってる不用品の処分を始める。
何百本もあった支柱は親戚と近所の庭好きな方にもらってもらう。
捨てるのが最も大変だったのはビニールハウスの残骸。業者にお願いして引き取ってもらったが骨組みは産廃処理物扱いで追加料金も取られた。

失敗もたくさん

頻繁に園芸店やネットで欲しい苗を買って植えているが、勉強不足で枯れてしまったものもあれば、育ちすぎて管理に困ってしまったものもある。
好きで植えまくったバラは数年咲いて枯れてしまった。バラは手をかけてあげないと育たない。色や形を選ぶのではなく病気に強い種類を選ばなくてはいけないことを学ぶ。
寄せ植えに使ったユーカリの小さな苗を地植えしたら短期間に成長して高さ3メートル太さ15センチの大木になってしまった。困って伐採したがユーカリの幹は水分が多く丸太にすると重く、処分が大変だった。
種類も調べず植えた萩の苗。根付き始めるとムクムクと成長。剪定しても根をほじくってもまた伸びてくる。途方に暮れて放置状態。
うっかり地植えをしてしまった藤の木。花も咲かずにすごい勢いで成長中。

うれしい成功もあり

植えてよかったものはチェリーセージなどのサルビア系、ラベンダー、ローズマリーなどのハーブ系、クリスマスローズ、エキナセアなどの宿根草系。ヒューケラなどのカラーリーフ系。
クリスマスローズは梅の木の周りに植えているが毎年沢山咲いてくれる。ヒューケラも今年は5倍に株分けした。

数年で学んだこと

何年も試行錯誤しているうちに、1年の大体のスケジュールがわかってくる。
冬に翌年の庭のイメージを作り、土壌改良、剪定をし、春に夏の暑さ対策をし、夏は草取りを頑張り、秋は冬の寒さ対策や肥料。
園芸ノートも作って、イラストやメモで覚書をするようにしている。
常に天気のチェックをし天気の良い午前中に苗の植え付けをするようにしている。

庭仕事を引き継いで数年経つが、やればやるほど奥が深い。
こんな面白いことをやっていたのかと父を見直してしまった。
庭から自然の空気をもらい、無心で土を耕していると悩みや不安も吹き飛んでしまう。父はこの庭でどんなことを思い作業をしたのだろうか。
極上のお楽しみを譲り受け、父に心から感謝している。

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