詩 借り物
詩 借り物
ぼたり落ちた屍体
スニーカーと得体の知れない液体
刺繍されたのは脇腹に浮いた瞳
はらり、積もる雨と
昇る陽で擦り減る夜
きみを視るために眼を綴じたのよ
刺さったガラス片は
鏡
いつか覗く
あったはずの未来
返し忘れた温情
流血を拭った手で
残された両目を洗う
捜さなくちゃ
僅かでも在るだろう
希薄な私と世界の繋ぎ目を
鏡映しに見出さなくちゃ
帰って眠るほどの暇はない
けど
一世一代の置き土産を
渡さずに
畢れるほど 終わってない
『東方地霊殿』に登場するサトリ妖怪『古明地こいし』を基にした詩