詩 地底の恒星
詩 地底の恒星
人を傷つけることに対する拒絶は
生きていくことへの拒絶に 限りなく近くて
灯火をまたひとつ消していく想いで
心を朽ちゆかせるだけの出来事が
あまりにも当たり前に流れていく
その、吹き荒ぶ業風の中を
たとえ何一つ変えられないのだとしても
各々の面持ちで進もうとするしか
意識にできる奉仕はない
地獄の熱気は
罪を 永劫ほどに焦がし尽くした 灼熱は
凍ったように淀んだ大気を
誰にも触れたくないという感慨を
ぬるく、焼き払う
それが、わたしが
ぎりぎり、この世に留まるための
手綱であり 鎖であり
恒星の座標です
『東方地霊殿』に登場するサトリ妖怪『古明地こいし』を基にした詩