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詩 火葬場は歩く



詩 火葬場かそうばある


 その不遜ふそんともにいられなくなった
 しわがれたわたしをても
 資格しかくすらくしてた
 きみたちにもとめられたのは
 所在しょざいない自信じしんっていること
 そこにわたしはいない
 いられなかった
 あたまでっかちな自己じこへの懐疑かいぎ
 不確実ふかくじつきらった世界せかいにおいが
 いてしまった
 もうもどれない
 もどりたくもない
 いつわりにしかえない
 なのに
 かがやいているんだ、
 くさった脳漿のうしょうかないけど
 にくこころげついていたいほどに
 けられるんだ
 そうして
 壊死えしした皮膚ひふからこぼされる
 なりそこないのゆめたちが
 あったかもしれない未来みらい
 屍体したい無様ぶざまこぼしながら
 うたうのです
 なさけなく
 無力むりょくにも