詩 ばけものじみた海洋生物
詩 ばけものじみた海洋生物
丁度好く発酵した暖気のことをお薄と認識する。
ばけものじみた海洋生物から「ばけものじみた海洋生物」が消えてしまった今世紀で、ghostは存在証明に必死だ。
と、思っていたけど、欠伸を噛み殺していただけの顰め面。
小かぶら、しゃん、と正座して、喉を熱い涙がおりてゆく。
個体はなくて、方向しか存在しない。
砂鉄が「集合!」と声をかけることはなくて、つまりは発火しているのは意思によるものじゃない。
じゃあ何がわたしたちをそうさせるの?
きみはいる、
けれどいない、
けれど、いる。
花占いの好きと駆逐みたいに、素晴らしい緩慢が待っている。
高級料理に魂が込もると信じているなら、そうしなさい。
発火しているのは意思によるものかもよ。
波動方程式の普遍性みたいな景色がごろごろいるんだ、ほんとうは。
そう信じているから、そうします。
あなたのことは月の裏側から綱引きしてくる牧人みたいな誠実さだと思う。わたしたちは清冽なベッドでねむる交叉いとこかもしれない。
だとしてもお化けは消えたりしないから。
上海アリス幻樂団の音楽CDに登場する大学生『宇佐見蓮子』および『マエリベリー・ハーン』を基にした詩