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詩 墜ちてくる焦熱


  詩 墜ちてくる焦熱



 仮初の姿が
 降り立つ
 花爛漫らんまんの平野
 仮託した姿で
 預言する
 神か 妖魔か
 知られることはない
 わかるのは
 後塵へ果てなく続く
 華の吹雪
 尋常を超えて咲き誇る
 衰えを知らない生命

 平凡な人生にも
 一度や二度はある
 宣告との邂逅
 己の意義、
 信じた価値、
 幾年分の積み上げなど
 一時いっとき 刹那にて爆ぜる
 終焉のしら

 今日 私は
 抹殺されたのだ
 彼女を構成する
 あらゆる要素が持つ
 香りが
 華の、接近できない佇まいが
 奥行きの深遠ふかどおさが
 深淵なる距離が
 違い
 を 静謐せいひつに突き付けた










 『東方とうほう花映塚かえいづか』に登場する妖怪『風見かざみ幽香ゆうか』を基にした詩