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詩 対価



詩 対価たいか


 よるともつづけるまちかりを
 いくぶんらって 
 べる燃料ねんりょうるため
 摩耗まもうする人々ひとびと生気せいき
 いくぶんらって 
 ねむかぎられた表情ひょうじょう
 記憶きおくきざむための 上司じょうし時間じかん
 いくぶんらって 
 世話せわになったおやからかけられた
 期待きたい安心あんしんはら
 いくぶんほそって 
 だから
 そこに意義いぎもとめるこころまれて
 そこに成果せいかようする概念がいねんまれて
 そいつらは ひとりでにぼくがんで
 ぼく自身じしんらっている
 けど 義理立ぎりだてを無意味むいみだん
 犠牲ぎせい正当化せいとうかするだけの理屈りくつによって
 この貪欲どんよく赤子あかごたちを
 手放てばなには到底とうていなれなかった

 ぼくはらわれている
 つづけるかぎ
 ぼくがなるべきだった未来みらい
 ぼくがすべきだった価値かち
 うらめしいがらたちの視線しせん
 ぼくはらわれている
 文字もじを つづけるかぎ