詩 鋼鉄の浮島
詩 鋼鉄の浮島
みぎめの脈動を とめて
かつて持っていたものを追い求めてふたたび震える
わたしの心を止めて
あの瞬間に宿っていた蛮勇
奇跡と思うまでもなく手を下せた決断
やわらかい陽光
数少ない衝立の写真
真水以外の刺激はもういい
きみの家は先週取り壊された
爪弾くための弦もない
空想のギターコードに
託せる願いはもうない
錆びついた運河を揺蕩う蒸気船
から降りれないまま月日を過ごしてしまった
もう視えない
って言えたらどれだけよかったろう
ピントは合わないけれど
今でも過ぎり続けてる
アンタレスの瞳
忘れることができたなら
褪せた血の海を渡れるだろう
出口はどこ
陸地に繋がる
たしかな足場にできる
思い出の破片は どこ