詩 餓鬼道より
詩 餓鬼道より
何を勝ち得たとしても
虚しさに辿り着いてしまうのだろう
という直感は
苦味でも渋味でもない
かつて頬が綻ぶほど
大切に味わったものが
無味乾燥にしわがれていく様を
いつ何時でも 想い起こしてしまう
青いのは隣の芝生じゃなくて
はじめてを味わった
あのときのわたしだ
おそらく
願うものになりたい
なんて瞬間的な瞬きじゃ
もう死んでもいいって
思わず呟く口許を
止められないらしい
見たこともないもの
聞いたこともないもの
それらを食傷気味に求める
飢餓の怪物が
不健康な胃袋と不釣り合いに暴れる
虚しさに寝込むわたしを
責め立てるように
小さく
目許を光らせてる