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詩 ひかりとくらやみ


ひかりとくらやみ



 いつなんどきでも輝いているものなら
 こんなにも求めることはなかった
 太陽は沈むし
 月は見えなくなる
 思い出すんだ 輝きを見ていると
 冷たくなった季節のこと
 薄暗い場所のこと
 ひかりは有限の時間をつかって焦熱する
 そしてまたくらやみに落ち行く
 けれどまた昇るだろうって期待をかけるのは
 優しさなんかじゃないのかもな
 在るものを超克しようとするとき
 陽射しにせまるほどの火が起こる
 きみはまた輝くだろう
 きみはまた苦しむだろう
 きみはまた越えたいって願うだろう
 その希求を見届けたくて
 ひかりとくらやみを眺めては
 陰る瞳に
 もっとも身近な障碍を手渡す







東方とうほう天空璋てんくうしょう』に登場する障碍神しょうがいしん摩多羅またら 隠岐奈おきな』を基にした詩