視線の、もっと先へ #寄せ文庫
ふみぐらさんの作品に寄せられる感想集、#寄せ文庫 に参加します。
(選んだ作品)
(感想文)
どうしようもなく惹かれる作品が、人生の中にほんのいくつかあります。理屈より感情が先立つ。その一つが、ふみぐらさんが書かれたこちらのエッセイです。" すごくいいです。好きです。" 当時、コメント欄にはこんなまぬけな言葉しか残せなくて。でも、改めて読んだ今、同じ感想なのでした。
「ひゅん、ご。」新幹線がトンネルに入る瞬間の音を、ここまで的確に表現できるなんて!と胸を高鳴らせました。続く「小さな衝撃が僕の乗る新幹線をトンネルに放り込む。」に、私からは絶対に出てこない視点と文章だ!と震えました。当時、私はnoteを始めて間もなく、いつかこんな作品を書けるようになりたい、と強く思ったんです。
交差する二つの夏。兄と過ごしたあの夏。記憶に自身を重ね合わせたとき、諦めない意志が静かに立ち上がる。そんな一瞬を切り取ったショートストーリーだと思いきや、最後に #エッセイ のタグを見つけたときは膝から崩れ落ちそうになりました。ふみぐらさんの、飄々とした佇まいの中に隠された情熱を垣間見れた気がして。
この作品の主人公は、大人になっても諦めるのが上手くなっていないそうです。私は、そんな大人がとても好きです。
(終わり)
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