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白熱する得点王争い!24/25シーズンのブンデスリーガで躍動するストライカー5選を紹介 FOKUS Bundesliga!!! #21

前書き

サッカーの醍醐味といえばゴールであり、それゆえに各クラブや各国リーグの「顔」としてストライカーの名前が挙がることは多い。ブンデスリーガでいえば、2010年代の「顔」は間違いなくロベルト・レヴァンドフスキだった。彼はリーグ通算312ゴールを記録し、7度の得点王に輝いた。

ゴールが醍醐味である以上、その数を競う得点王争いもまたサッカーの醍醐味だ。近年のブンデスリーガにおける「得点王争い」で誰もが思い浮かべるのは、2016/17シーズンだろう。バイエルンのロベルト・レヴァンドフスキとドルトムントのピエール=エメリク・オバメヤンが争いを演じた。

結果としては、リーグ戦の第34節ブレーメン戦で2ゴールを挙げたオバメヤンが、レヴァンドフスキの得点数を1上回る計31ゴールを記録し、単独で得点王に輝いた。フラットなファンにとってみれば、優勝争いに次ぐ各国リーグの楽しみは「得点王争い」だろう。

2024/25シーズンのブンデスリーガにおいても、得点王争いは熾烈だ。昨季36ゴールを挙げたハリー・ケインやシュツットガルトで28ゴールを挙げたセール・ギラシ以外にも多くの得点王候補がいる。本テキストでは第6節までのブンデスリーガで得点王争いを演じるストライカー5選を紹介する。


Ⅰ オマル・マルムシュ

Omar Khaled Mohamed Abd Elsalam Marmoush
所属クラブ:アイントラハト・フランクフルト
生年月日:1999年2月7日
出身:カイロ, エジプト(エジプト代表)
身長:183cm 利き足:右足

第6節時点ではあるが、ブンデスリーガの今シーズン前半におけるMVPは既に決まったようなものだ。オマル・マルムシュのプレーぶりにはそれほどの衝撃がある。好調とはいえないフランクフルトで12ゴールを挙げた昨季も見事だったが、今季は第6節終了時点で既に8ゴール4アシストを記録している。

相手ディフェンダーを抜き去るストライドの長いスプリントは、シュツットガルトでブレイクした際からマルムシュの武器だった。今季はそこにゴールに直線的に向かうプレーが加わり、ドリブルからエリア内に持ち込んで強烈なシュートを放つことができるようになった。

ファウルでも止められないほどの動きだしを見せるうえにアシストも記録できるため、スピードで上回る以外にほとんど止める手立てがないのが現状。相方のウーゴ・エキティケとの連携も抜群で、第6節バイエルン戦ではマルムシュが彼の得点をアシストした。今季どれほど数字を伸ばすのか、楽しみでならない。


Ⅱ ハリー・ケイン

Harry Edward Kane MBE
所属クラブ:FCバイエルン・ミュンヘン
生年月日:1993年7月28日
出身:ロンドン, イングランド(イングランド代表)
身長:188cm 利き足:右足

今季のブンデスリーガにおける得点王候補の筆頭を挙げるなら、間違いなくハリー・ケインだろう。彼は2023/24シーズン、2004年から在籍したトッテナムを離れ、新天地ドイツで躍動した。32試合で36ゴールを挙げ、自身初のヨーロピアン・ゴールデンシュー賞を獲得したのだ。

レヴァークーゼンに12連覇を阻まれたバイエルンにとって、今シーズンの目標はマイスターシャーレの奪還。そのためにはエースであるケインの活躍は必須だ。そんなケインは第6節終了時点で既に5ゴール5アシストを記録。チームも好調を維持しており、優勝に向けて視界は良好だ。

ただ懸念点がないわけではない。第5節のレヴァークーゼン戦、第6節のフランクフルト戦と2試合続いた首位攻防戦で得点できなかったのだ。もちろん彼は強烈なマークに遭う以上、得点するのは容易ではないが、両試合を通じて枠内シュートが0というのは残念だ。さらなる活躍に期待したい。


Ⅲ ヨナタン・ブルカルト

Jonathan Michael Burkardt
所属クラブ:1. FSVマインツ05
生年月日:2000年7月11日
出身:ダルムシュタット, ドイツ
身長:181cm 利き足:右足

今季のブンデスリーガでもっとも期待を集めるドイツ人アタッカ―はヨナタン・ブルカルトだろう。マインツユース出身の24歳は、第6節ザンクトパウリ戦でも2ゴールを挙げるなど今季すでに5ゴールを記録している。2023年の約1年間を膝の治療に当てたのちに、見事な復活を遂げた形だ。

ブルカルトが傑出しているのは、得点パターンの多様さ。今季記録した5点のうち、3点は頭で合わせて決めたが、それぞれ全く違う形からだった。またドリブルでトップスピードに乗りながら得点する能力に加え、狭いスペースでも少ないタッチで得点するなど、足元の巧みさも大きな武器だ。

ボ・ヘンリクセン監督のもと、前線中央で能力を遺憾なく発揮するブルカルトは、主将のシルヴァン・ヴィドマー不在時にはキャプテンマークを巻く大役も任される。中心選手たちが移籍した今季のマインツは決していい状態とは言えないが、そんなクラブをブルカルトは見事に牽引している。


Ⅳ エルメディン・デミロヴィッチ

Ermedin Demirović
所属クラブ:VfBシュツットガルト
生年月日:1998年3月25日
出身:ハンブルク, ドイツ(ボスニア・ヘルツェゴビナ代表)
身長:185cm 利き足:右足

デミロヴィッチの才能の大きさは、第1節フライブルク戦で決めたバイシクルシュートを見るだけで想像できるかもしれない。彼は前線中央にポジションをとり、攻撃の起点となりながら、フィニッシュに関わるセンターフォワードらしいプレースタイルの持ち主だ。

ハンブルガーSVとRBライプツィヒのユース出身でもある彼は、2023/24シーズンのアウクスブルクで15ゴール9アシストを記録。活躍ぶりから様々な移籍先が噂されるなか、デミロヴィッチが最大2300万ユーロとされる移籍金で加入したのはシュツットガルトだった。

シーズンは始まったばかりとはいえ、今季ここまでのデミロヴィッチは「セール・ギラシの穴」を埋めてみせた。第6節終了時点で5ゴールを記録したうえ、デニス・ウンダフとの補完性も抜群。シュツットガルトで好調なスタートをきったデミロヴィッチのこれからが楽しみでならない。


Ⅴ ヴィクター・ボニフェイス

Victor Okoh Boniface
所属クラブ:バイエル・レヴァークーゼン
生年月日:2000年12月23日
出身:アクレ, オンド州, ナイジェリア(ナイジェリア代表)
身長:190cm 利き足:右足

近年のサッカーナイジェリア代表は多くの優秀なアタッカーを擁するが、ボニフェイスもその1人だ。2023年夏にユニオン・サン=ジロワーズからレヴァークーゼンへ加入したボニフェイスは昨季、前半だけで14ゴールを記録。年明け以降は負傷で4ゴールに留まるも、大きなサプライズをもたらした。

センターバックよりも屈強な体格を有しながら、爆発的なスプリント能力も持ち合わせるボニフェイス。今季は左サイドに流れながら相手ディフェンダーを躱してゴールキーパーとの1対1に持ち込むプレーに磨きをかけており、昨季以上の脅威となっている。ヴィルツとの連携も向上している印象だ。

何より恐ろしいのは、彼がフィジカル頼みの選手ではないこと。足元の繊細さを兼ね備えるうえに、フリーな味方にパスする視野の広さもある。第6節終了時点で既に4ゴール1アシストを記録して見せているボニフェイスは、レヴァークーゼンの欠かせないフィニッシャーだ。


後書き

ブンデスリーガの得点王を争うストライカーは彼らだけではない。RBライプツィヒのロイス・オペンダベンヤミン・シェシュコ、ドルトムントのセール・ギラシ、ホッフェンハイムのアンドレイ・クラマリッチやホルシュタイン・キールの町野修斗など、実力ある選手たちがいる。

ウーゴ・エキティケチュクビケ・アダムなどの若手ストライカーも台頭している。今季62シーズン目を迎えたブンデスリーガで得点王に輝いた経験があるのは48人。そのうち最多の受賞回数を誇るのはゲルト・ミュラーとロベルト・レヴァンドフスキで7度、複数回得点王に輝いたのは計12人だ。

今季ブンデスリーガでプレーする選手のなかで得点王に輝いた経験があるのはハリー・ケインのみ。ケインがリーグ史上13人目の得点王複数回受賞者となるのか、あるいは他の選手が49人目の得点王受賞者となるのか注目だ。


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