ドイツ代表で躍動! ロベルト・アンドリッヒ選手の経歴とプレースタイルを紹介! FOKUS Bundesliga!!! #24
ロベルト・アンドリッヒ
Robert Andrich
所属クラブ:バイエル・レヴァークーゼン
生年月日:1994年 9月22日
出身:ポツダム, ブランデンブルク州
身長:186cm 利き足:右足
主なポジション:セントラル・ミッドフィルダー, リベロ
23/24シーズンのリーグ戦成績:28試合4得点
ユース経歴
2003-2012 ヘルタBSC
選手経歴
2012-2015 ヘルタBSC II(4部)
2015-2016 ディナモ・ドレスデン(3部)
2016-2018 SV ヴェーヘン・ヴィースバーデン(3部)
2018-2019 1. FCハイデンハイム(2部)
2019-2021 ウニオン・ベルリン
2021- バイエル・レバークーゼン
0. 前書き
2023/24シーズン、シャビ・アロンソ監督率いるレヴァークーゼンは、34試合28勝6分の無敗で、ブンデスリーガ優勝を果たした。神童フローリアン・ヴィルツをはじめとするエリート選手たちが能力を発揮して得た結果だったが、そのなかで唯一、20代でドイツの4部、3部、2部を経験し、キャリアを積み重ねてきた人物がロベルト・アンドリッヒだ。
今年、ドイツで開催されたユーロでも、同じくドイツ東部出身のトニ・クロースと代表の中盤を担うなど、ユリアン・ナーゲルスマンのチームでも欠かせない存在となっている。本テキストではアンドリッヒのこれまでのキャリアを振り返るとともに、能力やプレースタイルも紹介する。
1. これまでのキャリア
1-1. ヘルタBSCⅡ時代
FVトゥルビネ・ポツダムでキャリアをスタートしたアンドリッヒは、2003年、当時9歳で名門ヘルタ・ベルリンのユースへ加入。ヘルタのユース選手として、U17、U19のブンデスリーガでプレーし、2012/13シーズンからは、当時ドイツ4部のレギオナルリーガ・ノルトスト(北東)に所属したヘルタBSCⅡでプレーした。
2012/13シーズンはヘルタのトップチームに2度選出されるも出場機会はなかったが、2軍のヘルタBSCⅡでは出場機会を獲得する。とくに圧巻だったのは、2014/15シーズン。主将のケヴィン・シュテファンに代わり、CFとして出場した第3節VfBアウアバッハ戦で2ゴールを挙げたのだ。
1-2. ディナモ・ドレスデン時代
2013年3月にヘルタとおよそ2年3ヶ月間のプロ契約を結んだアンドリッヒは、2014/15シーズン前半の14試合で8ゴールを挙げる活躍を見せたことで、2015年2月、ドイツ3部のディナモ・ドレスデンへ移移籍を果たす。ドレスデンと2017年6月までの契約を結んだアンドリッヒはロート=ヴァイス・エアフルト戦でプロデビューを飾った。
しかし2015/16シーズン、アンドリッヒに試練が訪れる。クラブの新監督ウーヴェ・ノイハウスに出場機会を与えられなかったのだ。シーズン38試合中、出場したのは6試合の途中出場を含む8試合で、出場時間は272分。第31節ホームでのハンザ・ロストック戦で決めたクラブ初ゴールが唯一といえるハイライトだった。
1-3. SV ヴェーヘン・ヴィースバーデン時代
2016年6月、前シーズン王者のドレスデンを離れたアンドリッヒは、ドイツ3部に所属したSV ヴェーヘン・ヴィースバーデンへ移籍する。新天地で背番号10を与えられたアンドリッヒは、すぐにチームの主力に定着した。2016/17シーズンは、怪我や出場停止で出られなかった7試合を除く、31試合に出場し、うち29試合が先発だった。同シーズンにはSVロート・ヴァイス・ハダマ―との決勝を制し、エッセンポカール優勝を果たしている。
2017/18シーズンは28試合に出場して4ゴールを挙げるなど、4位となったクラブの主力として活躍した。そんな3部で圧巻のプレーを披露するアンドリッヒに白羽の矢を立て、2018年6月の契約満了後に彼をフリーで獲得することを同年1月に発表したクラブが当時2部のFCハイデンハイムだった。
1-4. 1. FCハイデンハイム時代~ウニオン・ベルリン時代
アンドリッヒはFCハイデンハイムでもすぐに主力に定着した。第3節、古巣のディナモ・ドレスデン戦で初先発を果たし、3-1の快勝に貢献すると、20試合の先発を含む25試合に出場し、活躍した。また2018/19シーズン、FCハイデンハイムはDFBポカールでも躍進し、16強ではレヴァークーゼンを破った。アンドリッヒはバイエルンとの準々決勝に出場し、印象を残した。
2019年夏、アンドリッヒはブンデスリーガに昇格したウニオン・ベルリンへ移籍した。移籍金はおよそ315万ユーロとされており、2022年6月30日までの契約だった。2019/20シーズンの第1節RBライプツィヒ戦で念願の1部デビューを果たすと、アンドリッヒはウルス・フィッシャーからの完全な信頼を獲得し、実力あるチームメイトとの争いを制して、新天地の主力に定着した。
1-5. バイエル・レヴァークーゼン時代
ウニオン・ベルリンに在籍した2シーズンで59試合に出場して6ゴールを挙げるなど、圧巻のプレーを見せたアンドリッヒは2021年、強豪バイエル・レヴァークーゼンへの移籍を決断する。650万ユーロの移籍金で加入した新天地でもジェラルド・セオアネ監督の信頼を獲得し、エセキエル・パラシオスやチャールズ・アランギス、ケレム・デミルバイとクラブの中盤を支えた。
2023/24シーズンにはシャビ・アロンソ監督のもと、グラニト・ジャカとの中盤コンビでクラブの中盤を支え、リーグ優勝に貢献。ドイツ代表にとって非常に重要な試合となった2023年3月24日のフランス代表戦で代表戦初先発を飾るなど、ユリアン・ナーゲルスマン監督からの信頼も厚く、クラブと代表の両方で欠かせない存在となっている。
2. 能力とプレースタイル
ロベルト・アンドリッヒは、攻守両面でチームに貢献できる、総合力の高いセントラル・ミッドフィルダーだ。怪我歴の少ない強靭な肉体の持ち主であるアンドリッヒ最大の武器は、ボール奪取能力。対格差を活かしたタックルでのボール奪取に加えて、相手と正面で向き合った際の守備やスライディングでの奪取など、中盤の守備の要としてふるまえる。
またアンドリッヒは足元の技術レベルも高い。3部から1部に僅か2シーズンで昇格したにも関わらず、適応して見せた事実がそれを何より物語っている。相手のプレスのなかでも縦横に正確なパスを送ることができ、もし寄せられても体格を活かしてボールキープができるため、アンドリッヒが試合中不安なプレーを見せることは全くない。
中盤におけるプレスの先鋒としてふるまうことも、低い位置どりでスイーパーとしてふるまうこともできるなど守備面の能力が非常に高く、一定のスピードがあり、ボール奪取後も不安なシーンをほとんど見せないため、シャビ・アロンソ監督はアンドリッヒを3バックの中央でリベロ的にも起用することもある。
また彼は得点能力が高い。体格を活かしたヘディングに加えて、正確なキックからゴールの隅に狙いすましたシュートを放つこともできるため、相手は彼がゴール前にいるだけで警戒しなければいけない。総じて、アンドリッヒは非常に高い守備能力と正確なパスをつなぐことのできる総合力の高い中盤だといえる。
3. これまでに獲得したタイトル
ディナモ・ドレスデン
3. リーガ:2015/16
SV ヴェーヘン・ヴィースバーデン
ヘッセンポカール:2017
バイエル・レバークーゼン
ブンデスリーガ:2023/24
DFBポカール:2023/24
DFLスーパーカップ:2024
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