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神童フロリアン・ヴィルツとバイエル・レヴァークーゼン FOKUS Bundesliga!!! #12

Florian Wirtz
現所属:バイエル・レヴァークーゼン
背番号:10
生年月日:2003年5月3日
出身:プルハイム, ノルトライン=ヴェストファーレン州, ドイツ
身長:177cm 利き足:右

20/21シーズンのリーグ戦成績:29試合 5得点
21/22シーズンのリーグ戦成績:24試合 7得点
22/23シーズンのリーグ戦成績:17試合 1得点
23/24シーズンのリーグ戦成績:32試合 11得点


これまでの活躍

リーグ開幕前、シャビ・アロンソ率いるバイエル・レヴァークーゼンが2023/24シーズンのブンデスリーガで優勝することを想像した人がどれだけいただろう。ジモン・ロルフェスSDの完璧な補強、功労者ヨナタン・ターや両ウイングバックの活躍など多くのトピックがあった昨シーズンの同クラブだが、チームの中心は弱冠20歳の若者だった。

ヴィルツは名門・FCケルンのユース出身。多くのタレントを輩出するチーム屈指の逸材として期待され、世代別のドイツ代表にも呼ばれた。とくにユスファ・ムココ擁するドルトムントと対戦した2018/19シーズンのU17ブンデスリーガ決勝では、勝利したFCケルンで背番号10を着用してプレーした。

しかしFCケルンの将来を担う存在として期待されたヴィルツは、2020年1月、強豪レヴァークーゼンへ移籍。同年5月19日のブレーメン戦でカイ・ハフェルツのクラブ記録を更新する17歳15日でブンデスリーガデビューを果たし、6月6日のバイエルン戦ではプロ初ゴールを挙げた。

2020/21シーズン以降はクラブの主力として定着。リーグ戦やヨーロッパリーグに関わらず、圧巻のプレーを披露した。とくに2021年9月11日のドルトムント戦で挙げた1ゴール1アシストは彼のタレントが如実に表れていた。しかし2022年3月13日に古巣・FCケルンとの試合で、ヴィルツは前十字靭帯断裂の重傷を負ってしまう。

約1年の離脱を経て、2023年1月23日のボルシアMG戦でリーグ戦復帰。コンディションを上げるなかで迎えた2023/24シーズン、ヴィルツは圧巻のプレーを披露する。開幕戦となったRBライプツィヒ戦で美しいループシュートからシーズン初ゴールを挙げるなど、チームを牽引した。

なかでも伝説的な活躍を披露した2試合がある。1試合目は2023年10月30日に行われた第9節フライブルク戦。36分、ペナルティエリアの右外から単独でドリブルを仕掛けてニクラス・へフラーを完全に手玉に取り、目の前に立つ相手選手7人を通り抜けるシュートをゴールに突き刺した。

2試合目は優勝がかかった第29節ブレーメン戦。68分に得点を挙げると、試合終了間際に立て続けに2点を決め、クラブ史上初のリーグ優勝にハットトリックで花を添えた。彼が2023/24シーズンのリーグ最優秀選手に選ばれたことに驚いたファンは1人としていなかっただろう。

チームでの役割とプレースタイル

トップ下のポジションを主戦場とするヴィルツがチーム内で求められる役割は、得意とするドリブルを武器に前線で違いを生みだすこと。ドリブル時は独特な長いストライドと切り返しを使い分けることができるため、阻止するのが難しいことが最大の特徴だ。また仕掛けたあとのシュートやラストパスの精度が非常に高いため、状況に応じたプレーが選択できる。

味方とのワンツーやバイタルエリアからのスルーパス、正確なミドルシュートなど、ライン間での選択した充実しているのも特徴で、彼がボールをもって前を向いた状態になること自体が対戦相手にとって脅威となる。ただ敵に囲まれた狭いエリアでもドリブルを駆使してターンできるため、ヴィルツがボールを持てない状態にする以外の選択肢がない。

ドイツ代表の中心へ

2024年8月19日、イルカイ・ギュンドアンがドイツ代表から引退を発表した。彼に代わってドイツ代表のトップ下を担う選手の候補筆頭はヴィルツだろう。2020年には17歳以下、2022年には19歳以下のフリッツ・ヴァルターメダル金賞を受賞したヴィルツは、ジャマル・ムシアラとともに今後のドイツを牽引する若手の逸材として大きな期待を集める。同世代には数多くのライバルが存在するが、彼が活躍し、ビッグイヤーやバロンドールを掲げる姿を見るのが待ち遠しくてならない。


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