オマル・マルムシュ & ウーゴ・エキティケ フランクフルトが擁するブンデスリーガ最強の2トップ FOKUS Bundesliga!!! #32
2024/25シーズンのフランクフルト
まるで別のチーム
鎌田大地やエヴァン・エンディカを擁し、2023年のDFBポカール決勝に進出したアイントラハト・フランクフルトを印象に持つファンにとって、今季のクラブは別のチームの様に感じられるだろう。
同決勝から1年半ほどしか経っていないにも関わらず、試合に出場した15人のメンバーのうちで現在もチームに在籍するのは、わずか4人であるためだ。
アイントラハト・フランクフルトの「変革」
長谷部誠やセバスティアン・ローデの引退、ランダル・コロ・ムアニやイェスパー・リンドストロームの引き抜きに伴い、マルクス・クレーシェSDは「変革」を決断した。2023年夏以降のフランクフルトの補強は、見事としか言い仕様がない。
2023年夏にはVfLヴォルフスブルクで燻っていたオマル・マルムシュ、1. FCケルンで絶対的存在であったエリス・スキリをフリーで獲得。同年冬にウーゴ・エキティケをレンタルでクラブに迎えると、今夏にはベルギー代表DFのアルトゥール・テアテをスタッド・レンヌから獲得したのだ。
優秀な指導者 ディノ・トップメラー
アドルフ・ヒュッター、オリヴァー・グラスナーというラルフ・ラングニックの影響下にある2人のオーストリア人監督の後継者に、ユリアン・ナーゲルスマンのアシスタントを務めたディノ・トップメラーを指名したことも見事だった。
スピードある若手選手たちの才能を前面に押し出したスタイルを確立したディノは今季、クラブを躍進させている。「4-4-2」の布陣をベースに、縦意識の強いマルムシュやエキティケ、アンスガー・クナウフがカウンターを実行する。
またスキリとウーゴ・ラーションの長身の中盤コンビ、ロビン・コッホ、トゥータという足元の技術に秀でたCBを中心とするディフェンスラインが守備を担うことで、ソリッドなチームに仕上がっている。
敏腕SD マルクス・クレーシェ
賞賛されるべきは、クレーシェの手腕だろう。すでにパーダーボルンやRBライプツィヒで素晴らしい仕事ぶりを見せた彼は、フランクフルトで自身の評価を絶対的なものにした。リーグ屈指のスカッドを誇る現在のフランクフルトのキーマンはクレーシェだ。
本テキストでは、とくにブンデスリーガで猛威を振るう2選手をオマル・マルムシュとウーゴ・エキティケの2トップに焦点を当てて紹介する。
オマル・マルムシュ #7
عمر خالد محمد عبد السلام مرموش
Omar Khaled Mohamed Abd Elsala Marmoush
生年月日:1999年 2月7日
国籍:カイロ, エジプト
身長:183cm 利き足:右足
2024/25シーズン成績:10試合 11ゴール 7アシスト
今季のドイツ・ブンデスリーガ前半のMVPは、すでに決まったようなものだ。それほどまでにマルムシュのプレーぶりは圧倒的である。11ゴール7アシストという数字はもちろん、プレーの1つ1つがあまりに傑出しているのだ。
第6節バイエルン戦の試合終了間際に見せた得点でもわかるように、トップスピードに乗った状態のマルムシュを止められるDFは、ブンデスリーガにはいない。VfLボーフム戦、スラヴィア・プラハ戦、VfBシュツットガルト戦と3試合連続で決めた直接フリーキックも見事だ。
既に発揮していた類稀なスピードに加えて、得点能力にも磨きをかけた今季のマルムシュは、2008年頃のクリスティアーノ・ロナウドさえ彷彿とさせる。今後のリーグ戦でも、彼がどれほどの輝きを放つのか注目したい。
ウーゴ・エキティケ #11
Hugo Ekitiké
生年月日:2002年 6月20日
国籍:ランス, グホン・テスト, フランス
身長:190cm 利き足:右足
2024/25シーズン成績:9試合 5ゴール 2アシスト
マルムシュと2トップを組みながら、引けを取らない輝きを放つのがエキティケだ。クレーシェSDのお気に入りの選手であり、今夏にパリ・サンジェルマンから完全移籍でフランクフルトに加入した同選手のしなやかであり、且つ力強さもあるプレーは多くのサッカーファンを魅了する。
古豪スタッド・ド・ランスのユース出身のエキティケの足元の技術はトップレベルであり、相手の隙間を通り抜けるかのようなドリブルで仕掛け、正確なフィニッシュを決める。また第10節シュツットガルト戦では、マルムシュの蹴ったコーナーキックに頭で合わせて得点するなど空中戦にも強い。
スピードを武器とするマルムシュとの補完性は抜群で、この2トップだけで相手守備陣を切り裂いてしまうこともできる。ディノ・トップメラー監督率いるチームで欠かすことのできない選手の1人となっている。
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