ある性被害について

気付けば十月も終わりそうです。

ようやく書けそうになったので、書いてみます。

八月の中頃、広義のといいますか性被害的なものにあいました。
不幸中の幸いで、狂ったように叫んだら逃げてくれ、体を触られることもなく、より深刻な被害は免れました。

趣味の写真撮影の為、ある村の温泉宿に宿泊したときのことでした。宿の温泉浴場の扉にかんぬき錠をかけ入っていると、同じ宿に宿泊していた男二人組が外から錠をこじ開けたのか、入ってきました。一人は全裸でした。
ショックで気が動転し、館内に轟く叫び声をあげ必死で追い払いました。脱衣所からなかなか出ていってくれなかったので必死で叫び続けると、ようやく廊下をばたばたと逃げて行きました。その間もずっと、そいつらに向かいとにかく必死で叫び倒しました。
その事を伝えようと管理部屋に行くと真っ暗で、宿の人は不在だとわかりました。
二人は、そのタイミングを見計らって浴室に来たのかもしれません。

自分の部屋へ急いで戻り鍵をかけると、手が震えていました。体を見られたことも悔しくて、涙が溢れました。宿の管理人室へは何度かけても応答がなく、とにかく部屋から出るのが怖くなり、警察に相談の電話をしました。
警察の方は、夜更けだというのに親身に話を聞いてくれ、宿主にも連絡の上、車で1時間かけて現場検証に来ると言ってくれましたが、私の体は無事なのに真夜中にそこまでさせることに申し訳ないような気持ちになり、辞退というかこれ以上の対応はしなくて大丈夫だと伝えました。「鍵をかけるように」「何かあったらすぐ連絡ください」と言ってくれました。
横になってからも悔しくて涙と震えが止まらず、覚醒状態で、ほとんど眠れずに朝を迎えました。

翌朝、誰もいないのを確認してから廊下へ出たのに、すぐに二人組の男の一人が「昨日は間違えちゃったんだよね」などと言いながら寄ってきました。嫌悪感と恐怖と怒りがやってきて、走って部屋に逃げ戻り、彼らが宿から出ていくのが聞こえるまで、一歩も出ずに待ちました。

宿の女将は、昨夜は警察から電話が来て、対策をしっかりするようにときつく言われたと言っていました。電話が来てから眠れなかったとも。
ショック状態の私は、すでにあった悔しさと怒りと悲しみの上に、この無実な女性に迷惑をかけてしまったような気持ちが重なり、混乱して泣き出してしまいました。

元々は他に寄りたい場所や撮りたい写真もありましたがとてもそんな気分になれず、特に何もせず家路につきました。

家についてからも心と手の震えが止まらず、体が浮いたような状態が続き、いつの間にか涙が出てしまったり、自分でも驚く程動揺していました。

一人では抱えきれない、助けが必要だと判断し、夜中に性被害ワンストップセンターに電話をしたのでした。

(続きます)