ある性被害について(続)
もうすっかり落ち着いたので、一旦整理する為に書いています。
今回のことで改めて自分の生物としての脆弱性を目の当たりにし、それがとてもショックでした。いくら社会的にも経済的にも自立していると言っても、男性に力ずくで来られたら自分を守る術を持たないことを認めざるを得ません。
私が一人で自立していられるのは、法や社会通念に守られているからに過ぎない。
今回はたまたま叫べば逃げるタイプの人間だったから助かっただけに過ぎない。
私を守っているそういうものは、力の前ではあまりに脆い。
トラウマケア以前の症状が戻ってきたのにも驚きました。ブレインフォグ、手の震え、不眠、偏頭痛、食欲の減退と味覚の鈍化。日々の仕事はそこから意識をそらす助けとなりましたが、集中力が続かなくなりました。そして、急に涙が溢れたり。
性暴力のワンストップセンターの存在は、とても心強かったです。心理士の方々や精神科医(すべて女性でした)ともお話しできました。国からの支援により、私の負担はゼロでした。このような場合、別のクリニックや病院にかかる場合にも、助成金が出るそうです。
そうしているうちに、一月後にはかなり元の状態に戻っていました。精神科医の先生が、「トラウマケアによりレジリエンスが備わっているのが良かった」「良い治療をされましたね」と仰り、私もそう思いました。
二ヶ月経った今では、症状のほぼ全てが無くなっています。
もう一つ自分に驚いたことは、あれだけ信頼を寄せているかつてトラウマケアを担当してくださった臨床心理士の先生にさえ、男性だからという理由で、この件を任せたくない、この話をしたくない、と感じたことでした。
今回のこれだけの内容でもかなり消耗した私は、正直なところ、より深刻な被害だった場合に立ち直れる自信がありません。
この世から全ての性暴力が消えるようにと、ただただ願います。