コルヌコピア
カーテンを開ける気にもなれず、暗い部屋でため息をつく。
いつかは、いつなんだろう。このうそを終わらせるのは。
世界は自分で狭くしている。
うまく立ち回れそうにないから。
外の光は、穏やかに世界を照らしているのかもしれない。
諦めてしまい込んだ感情を、暴かれるのが怖い。
欲しいものさえ、欲しいと言わない、うそつきの道化は、
本当の気持ちなんて派手に塗りたくって隠してた。
色付きの汚い涙が頬を伝うまで、それでいいと思ってた。
下を向いて、やり過ごして、口をゆがめて。
見せちゃいけないだろうと隠していた、ここにある感情は、
淡く期待したって、誰一人、気づくはずなんてなかったんだ。
機会は与えられるものじゃない、取りに行くものだ、と気づいたんだ。
窓際に立ち、重いカーテンを引く。
窓を開ける。
吹き込む風、レースのカーテンをさらう。
cf. Aries 24° An open window and a net curtain blowing into a cornucopia.