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『可愛くない』という事実に向き合った時


突然だけど親は子供のことは本当に可愛いと思っている

腹を痛めて産んだってのはもちろんのこと
子供は親フィルターをかけると実際の何倍も可愛く見える、それは間違いないと思う

小さい頃から『かわいいね〜』と言われて育ってきた
親だけでなく周りの人間からも言われるわけだから

それはきっと『事実』なんだと信じてやまなかった


小学生になって学校で1番の美少女に出会った

可愛くないって言う人はいないし
街でスカウトされたってもっぱらの噂で

成績も良ければ運動神経も良くて
たぶんお金持ちだった


ここで疑問が生まれた
『わたしも可愛いのにあの子の方がなんで上なんだろう?』

最初からありもしない事実を正しいと思っていた私はまるで自分の立場が脅かされている気持ちになって、その子を意識的に避けるようになった

やがて小学校高学年になれば好きな人も出てくる、のに好きになって貰えなかった

おまけにいじめにまであった
『ぶりっこ』とか『キモイ』とか『ブス』とか

その頃から
なんで皆ウソばかり言うんだろう
嘘をつかれて絶望するのは私なのに

可愛いっていうのは社交辞令で
単なるウソではないかと思うようになった

中学校、高校に入っても同じだった

『可愛い』って言われてる女の子を見ても
素直に可愛いと思える子は正直少なかった

『あの子のどこがいいんだろう』

『私の方が可愛いのに、皆見る目が無いのかな』

なんて思ったりした

ああ、なんて周りは変わり者ばかりなんだろう
疲れちゃうなあって

それから大人になっても結局は上辺で可愛いといわれ続けることに甘えて生きてきた

スマホやインターネットが普及してから人々はたくさんの情報を得られるようになった

雑誌で勉強していたメイクやファッションはYouTubeでカリスマがしっかり教えてくれるし

今まで冷たい目で見られてた整形も今ではほぼ当たり前に近づいている

そう、今の女の子は以前よりも段違いでレベルアップしてるんだ

東京の都心に行けばインスタグラマーのような美女が山ほどいる

ファッションビルに入ればモデル体型でとっても可愛い女の子が本当に多い


恥ずかしいことを告白すると

洗面所の鏡で自分を見るのが好きだった

数年前は若さで自分のことを可愛いと思えていた

若さとウソで甘やかされて向上心をいつの間に失ったのかもしれない

今の自分はなんだろう?


なんて汚いんだろう?

やっと自分は可愛くないって自覚できたんだ

幼い頃に矯正しなかったおかげで歯はガタガタ

Eラインなんてない

丸々と膨れた顔
若いからパンと張ってるのよ なんて言われてたからそれを鵜呑みにしてたのに
ただ太ってるだけじゃないか

メイクも上手くできない
してるのかわからないほどのナチュラルメイクで
いつまでも子供のままだ

10代後半は20代前半服とエステ脱毛、オタク活動に多額のお金をかけ、それが間違いだったことに今更気づいた

いつまでも体型も体調も心も考えも子供のままで

ちっとも美しくないアラサーの自分が出来上がった


自由という環境に甘えて面倒なことから逃げてきた

そのおかげで仕事もお金も若さも可愛さも、

たくさんお金を掛けた服も失った

ウソに甘えてなんで疑わなかったのか
なんでもっと色んな世界を見なかったのか

自信がないフリをして本当は自分に過信してたのか

タイムマシンがあったら18歳からやり直したくてしょうがない

仕事も見つからなければお金もなくておまけに多額の借金があって、病気になって体調もずっと悪くて運動も出来なくてお菓子も止められなくて、自分のことを未だに虐め続けてしまう

今できることはなんなのか
わからなくなってきている

人生は1回きりで出会ってきた人もこの生きてきた体も1度きりでやり直しが効かないことがつらい

いつになれば富士の樹海に行く妄想をしなくても良くなるのか

30歳まで生きてみて、自分を変えれることを目指してみたい

上手くいくかはわからないしかなり厳しい展開が待ってることは間違いないけど

自分を好いてくれる人のことを悲しませたくはないから、こんなダメで可愛くない自分でも頑張りたい。






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