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助産師を「産む人」のためだけの職業にはしたくないのです

私の今の夢、というか目標は「すべての女性が気軽に助産師と自分のライフについて話せる場をつくる」ことです。

これについて、最近お話させていただいた皆さんに、「助産師って本来出産に関わることだけが仕事ではないんです」と話すと、たいてい皆さん「へぇ〜!」って驚かれます。

念のため述べておくと、決してお話してくれた人を責めたりしているわけではないですからね!念のため!

あくまで、それが一般的な「助産師」の認識なんだよな〜と改めて実感しているところです。

助産学を学んだ人は「女性とその家族のライフサイクル、すべての支援に関わる人である」と認識しているはず(学校ではそう学んでいるはず)だと思います。

でも、実際には現代の日本で助産師の仕事というと、妊娠中・出産・産後のケアがメインになっている現状があります。

もちろん、性教育やNICU(=新生児治療室)、不妊治療や婦人科領域など幅広く関わっている助産師もいるので、様々な活動をしている人はたくさんいるんですが、関わる機会が多いのはやはり産前産後。

でも、「産む性」である女性にとって、「産むか産まないか」という単純な話では済まないと思っています。

例えば、妊娠出産というキーワードを思い浮かべてもらったら、その時に感じることって人それぞれですよね。

「30歳前後で出産したいな」

「今は産みたくないけど将来的に産みたいと思うかもしれない」

「自分は産まなくていいと思っていたけれど、パートナーは子どもを欲しがっていてどうしよう」

「なかなか妊娠できない」

「妊娠するつもりなかったのに妊娠してしまった」

「病気で妊娠できなくなってしまった」

などなど……。

本当にデリケートなことなので、悩んで当然だし、簡単に周りの人に話せることでもない。


今だったら「子どもが欲しい気持ちはあるけれど、今の日本で子育てをしていけるのか不安」なんて声もありますよね。
私も子育てしている最中ですが、不安がないかと言えば嘘になります。

先日読んだ、甘糟りり子さんの『産む、産まない、産めない』の登場人物たちの心が揺れ動く描写がとてもリアルで、物語に登場する女性たちみなに出会ったことがあるような気持ちになりました。

40代未婚での出産、ステップファミリー、10代の妊娠、不妊治療、流産や死産……

考えてみれば、みんな産科病棟で働いていた時に出会っていたケースです。
だから、本の登場人物たちは、私が実際に関わった人たちかもしれない。

そのくらいのリアルさを感じました。

出産って幸せなものだけど、人によっては人生を大きく変えてしまうものでもあります。
(これから妊娠する人を怖がらせたい意図は全くないです!そのくらい大きな出来事だという意味です!) 

だからこそ、私はすべての年代の女性が「助産師」の支援を受けられるようにしたいし、「助産師」の存在を知って欲しい。

まだまだ私にできることはほんの少しだけど、できることから小さく小さく始めていきたいなと思っています。

すべての女性と、その家族の幸せを願って。

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