Pebble Time RoundからFossil Monroeに変えた、が
ここ6年ほど、Pebble Time Round(PTR)というスマートウォッチを愛用していた。途中で1回買い換えたけれど機種としてはずっと同じである。PebbleがFitbitに買収されてブランドが消滅しても、サポートが終了しても、FitbitがGoogleに買収されても、ずっと愛用してきた。
しかしそろそろ後継機を探さなきゃいけないなと心に決め、FossilのHybrid Smartwatch HRシリーズのMonroeにたどり着いた。また乗り換えて2日だが、思ったことをがーっとまとめておく。勢いで書いた文字ばかりのレビュー。
前置き
Pebble Time Round(PTR)とは
Pebbleシリーズのスマートウォッチ。大きさ37mmで薄さ7mmという驚異の小ささを誇る。カラーの電子ペーパーディスプレイを搭載しているので画面は常時表示。ユーザーがアプリやウォッチフェイスを作って共有することができ、自由度は無限大。歩数と睡眠は自動で計測してくれる。電池持ちは忘れたが、2日くらい充電しなくても何とか持った気がする(Pebbleの他の機種は2週間くらい持つはず)。ケースがシンプルなので、ベルトを変えればさまざまな雰囲気を楽しめる。機能と大きさ、価格、手軽さ、自由度のバランスがすばらしく、最高のスマートウォッチと言って問題ない。※自分調べ
後継に求めるスペック
PTRが最高だったので、必然的に後継機に求めるスペックは厳しくなりがちかもしれない。
・丸くて小ぶり(40mm以下)で主張しないデザイン
・常時表示
・ウォッチフェイス変更可能
・母艦からの通知受信、簡単な運動計測、睡眠計測が可能
これらを満たしたのは現時点ではFossil Hybrid Smartwatch HRシリーズのMonroeしかなかった。そもそも「丸い」と「40mm以下」に当てはまるスマートウォッチが少なく、Garmin LilyとGarmin vivoactiveとFossil Gen5とこのMonroeで迷ったが、Lilyは常時表示がないので断念、あとの二つはMonroeよりも大きいということで断念した。
使う人(私)について
・30代女性
・職場は服装自由(なのでオンとオフの区別があまりない)
・服装はカジュアルもしくはオフィスカジュアルくらい
・スマートウォッチ歴は7年
・運動はほとんどしなかったが、最近フィットボクシング2を始めた
ここは良い
正直言うと不満のほうが多かったりするが、まずは良いところから。
①丸くておしゃれで大きくない
ケースが丸いこと。これはスマートウォッチを選ぶにあたって何よりの第一条件だった。Zuccaの時計のようなデザインのために四角くなった時計はともかく、時計はこれまで丸形が標準だったはずだ。四角くて大きくて厚ぼったくて「はい、私はスマートウォッチです!!」と主張するようなものは絶対に嫌だった。
そして大きくないこと。時計として見るとMonroeは決して「小さい」ではないが、ディスプレイ付きスマートウォッチの中ではかなり小さい方だと思う。数値的にはこんな感じ。
・PTR:37mm×37mm×7mm
・Monroe:38mm×38mm×12.7mm
さらに、Fossilなだけあってデザインがおしゃれだ。外周に複雑なカットが施されていてきらめきがあり、こういうのをリュクスと言うのだろうか。時計としては若干存在感が大きく、「しっかりした大人の時計」という印象がある。「スマートウォッチっぽくない」という点ではかなり良い。
これに比べるとPTRはだいぶカジュアルで小ぶりなせいか、悪く言うなら安っぽく見える。そのカジュアルさが私にはちょうど良かった一方、フォーマルな場に着けていけなかったのは事実である。
(PTRとの大きさ比較。Monroeのウォッチフェイスは
お試しで大理石風の画像を当てている。模索中)
②心拍計がついている
これがPTRにはなかった最大のメリットだった。心拍記録はアプリに保存され、Google Fitでも見ることができる。何かの記録を付けるのがわりと好きなのでうれしい。フィットボクシングの間に心拍数が180くらいになっていることを知ってほくほくしている。まあ、今のところはほくほくするだけでとくに活用できてないないのだけれど…。
③運動計測モードがある
PTRもMonroeも基本的に日常の動きや歩数は自動で計測してくれるが、Monroe上で「ワークアウトモード」を起動すると、運動計測に特化した?モードになるようだ。フィットボクシングの前にワークアウトモードを選んだときと選ばないときを比べると、前者のほうがフィットボクシング上の想定消費カロリーに近い数字が出る。PTRだとこのあたりの計測はゆるかったのでこれはありがたい機能だ。
モードは「歩く」「ランニング」「ウエイトトレーニング」など10種類から選ぶことができ、当てはまらないものは「ワークアウト」を選べばよいらしい。中には「エリプティカルバイク」「ボート漕ぎマシーン」という珍しいものもある。やってみたい…。
④おまけ:針の動きがおもしろい
何かの機能を使うとき、ディスプレイが見やすいように長針と短針が9:15の位置まで動く。また、たまに機能に応じてそれぞれの針がぐるりんと一周することがある。これが時計にあるまじきなめらかさと速さでなのでびっくりした。これ自体は大したことではないが、こういう動きが好きな人はきっと少なくないのでは。
ここはいまいち
PTRへの愛が強すぎるので不満に目が行きがちである。あくまで「PTRと違っていまいちなところ」なので、「PTRと一緒だけどいまいち」とか「PTRと違うけどいまいちじゃない」ものは省く。
①iPhoneとAndroidの2台接続ができない
これがけっこう致命的だ。私は会社支給のiPhoneとプライベートのPixel3の2台持ちをしている。Pebbleでは(たぶん正規の使い方ではなさそうだけれども)その両方に同時接続し、両方から通知を受け取ることができた。どうもMonroeはそれができないらしい。手動でペアリングする手立てがないので、片方に接続したらそれっきりだ。iPhone2台持ちとかAndroid2台持ちの場合は分からないが、たぶん同じ結果になっている気がする。
私は基本デスクワークなので仕事の通知を見逃すことはあまりないが、やはりこれまで受け取れたものが受け取れなくなるのは困る。Slackを私用のスマートフォンに入れ、仕事のカレンダーも私用のスマホで同期させれば一応解決はする。でもオフィス内を移動するときはだいたい私用のスマホは自席に置いているので、あまり解決策にはならない。ここは引き続き策を練らなければ。
②サードパーティのウォッチ内アプリがない←できることが少ない
これは買う前からわかっていたことではあるけれど。
AndroidやiOSのように、Pebbleはサードパーティのアプリを受け入れてきた。母艦の状態を監視できるアプリ、通知を細かく制御するアプリ、外部サービスと連携してタスク管理するアプリ、おみくじのようなお遊びアプリなどなど数えるときりがない。つまりPebble運営側が提供していない機能であっても、プログラミングができるユーザーがいれば何でもできた。実際プログラミングできるユーザーは世界中にたくさんいて、私は大いにその恩恵にあずかっていた。
少なくとも今のところはMonroeにそのオープンさはなく、Fossilが提供するものをただ利用するだけである。Fossilはソフトウェアメーカーではないので当然といえば当然だが、その分かゆいところに手が届かないんだよなーという印象が残ってしまう。
これはアプリに限らずウォッチフェイスにも言える。Monroeの標準では
・フェイスの背景になる画像の選択(プリセット数種+自分でアップロード)
・何の情報をフェイスのどこに置くかのカスタマイズ(例えば3時の位置に日付、9時の位置に歩数など。パーツをドラッグして好きな位置に置ける)
くらいが可能で、例えば心拍数に応じて背景が濃くなったりとか日付表示を大きくしたりなどはできない。Redditのウォッチフェイス共有スレッドにいろいろな背景画像がアップされてはいるが、PTRの何でもあり感に慣れていた身としてはつらいものがある。
(Pebbleのウォッチフェイスたち。左が私がインストールしているフェイスの一覧で、右がPebbleのアプリストアにアップされているフェイス。)
ただ、もっとデザイン性の高いフェイスが欲しいと思ってみたところで、Monroeのケースの雰囲気を鑑みればそんなにとがったデザインにはできない。結局自由度はそんなに高くなくてもいいのかもしれない。
この点を考えるとき、大きさを犠牲にしてでもWear OS搭載のGen5にしておけば良かったのかなと思う。
③通知の履歴が母艦と完全同期
他のスマートウォッチがどうなのかはわからないが、これまでの通知の履歴をスマートウォッチ単体で確認できないこと。母艦側で通知を消してしまうとMonroe側からも削除される。PTRで通知の履歴確認をすることも多かったので地味な痛手である。
④タイムラインがない
次の予定は何時からだっけというのを手元でさくっと確認できるのはとても便利だったなあと気が付いた。これも地味な痛手。
⑤ベルトの選択肢がさらに少ない
Monroeのベルトは12mm。市販のベルトに付け替えられるが、選択肢は限られる。だいたいが革か金属のメッシュベルトタイプで、ネットで探せばシリコン製が細々と売られている程度。NATOタイプであれば多少は増えるが心拍計が使えなくなるので実質対象外になる。
思い返せばPTRの頃からベルト探しには苦戦していた。PTRはベルト幅が14mmだが、この細さに合う時計は華奢なレディース向けということなのか、シックな革か金属がほとんど。ナイロンやシリコンは店頭に並ばない。
私はベルトをぴったりめで巻くのが好きな割に汗をかきやすいので、できればそういうガシガシ使える素材を使いたいのだ。幸いGadgetwrapsというサイトでPTR用の14mmベルトを取り扱っていたのでよく購入していたが、もっと細い12mmのものはさすがにないようだ。暑い季節になる前に何とかしたい。
といってもMonroeにナイロンやシリコンはそもそも合わない可能性がある。これは時計への向き合い方、持ち物への向き合い方を変えるときなのかもしれない。
⑥その他こまごま
ケースがリュクスな雰囲気なのでウォッチフェイスで遊びづらいこと、竜頭が丸くて固いので指の腹が痛くなること、デジタル時計を表示できないことなどなどささくれのような不満はちらほらあるが、上記に比べるとまあ許容範囲だ。
結局Monroeってどうなの
PTRへの愛着が強いのでMonroeの不満ばかりが出てしまうが、Monroeが悪いのではなく、PTRとは方向性が違うだけなのだ(と言い聞かせている)。「畑を耕すとこまではやっといたから好きにしていいよ」、と「さあ当社の庭園をごゆっくりご覧ください」くらい違う。またはPTRは「見た目は地味だけど話がおもしろくてみんなと一緒によく働く人」で、一方のMonroeは「話はつまらないし協調性がないけどとても美くて華やかな人」。
でも、傍から見たときの美しさがあなどれないことにも気付いた。試しに左右の手首にそれぞれPTRとMonroeを着けて鏡の前に立ってみると、Monroeが放つ雰囲気が格段に良い。おしゃれさんぽい。おしゃれの点で言うとPTRはプラスでもマイナスでもなかったが、Monroeは確実にプラス。最初はポジティブな気持ち2:ネガティブな気持ち8くらいだったが、今は4:6くらいにまで拮抗している。
あるいはPTRが優等生すぎたのかもしれない。罪深いスマートウォッチ。
Google Play MusicがYouTube Musicになってレビューが大荒れしたように、乗り換えるときは何らかの犠牲と変化が求められるものだ(と言い聞かせている)。使い方を変えるなり、別のサービスを探すなり、工夫はしなければならない。慣れ親しんだものを手放すのはつらいけれど。
Slackと仕事カレンダー通知を私用のスマートフォンから飛ばす運用がうまくいかなかったら、仕事のある平日はPTR・休みの日はMonroeという感じで使い分けてみる予定だ。それでもだめならMonroeを諦めてPTRに戻り、また後継機を探しに行く。
(フェイスのカスタマイズの一つで任意の文字を載せることができる。日本語文字を置いてみたら、パチモン風を逆手に取ったデザインに見える…と言えない、ことも…ない…かも…?笑)
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