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また、旅する日まで。思い出せ、パリ。
今使っているパソコンの買換えを検討の為、パソコンの中身を点検する。あれ?いくつかの旅の写真がない。忘れないうちに文章に残しておこう。
ロンドンがなんだかあまりいい思い出にならなかったからか、パリもただの都市に過ぎないと過小していた。
私は間違っていた。パリまさしく花の都である。
確かシャルル・ド・ゴールド空港に着いたのは午後2時で、予約していたホステルには明るいうちにたどり着いたはず。ホステルのこともそこで会った人たちのことも思い出せない…。
到着した日の夜だったはず。地下鉄でエッフェル塔まで行った。一人で怖いしすごく並んでるので登ることはあっさりパスしてほんの少ししか滞在しなかった。
朝一でノートルダム大聖堂に行って屋上に登る列に並んだ。なぜか向かい合って2つの列ができてしまって、開錠した時に先頭の人たちがもめて少し騒ぎになったが、私の列の人が勝ったらしく、すぐに登ることができた。朝の晴れ渡った夏の空と美しく広がる都市が合わさる、胸が弾む気持ちのいい景色だった。お道化たガーゴイルがすぐ真横にいるのもいい。
上空の眺めに満足していたので、大聖堂はさらっと見ればいいかなと思った。足を一歩踏み入れた瞬間、鳥肌がたった。とにかく荘厳でここで祈りをささげた多くの人達の思いが襲ってきたのだと感じて、涙がこぼれそうになる。動画や写真で誰もいない大聖堂を見学することもできるけれど、やはり空気は訪れなければ感じられない。
パリといえば美食の街。でも食べたものは何も思い出せない。なんて残念。唯一記憶にあるのは歩き疲れてオペラ・ガルニエの近くでパリジャンっぽくカフェをしたこと。カプチーノとチョコレートケーキを素敵なパリジャンが提供してくれた。
ルーブル美術館は夜間開館日に行った。ガラスのピラミッドが薄暗くなったパリに映しだされているのが思い出される。すべてを十分に観て回れないことはわかっていたので、見ておきたいものを中心に回った。やはり覚えているのはモナ・リザ。これがそれか。ガラスに覆われ、人に囲まれるなか、何とかその姿を目に焼け付けた。
歩いても、乗り物から眺めてもどこかしらも華やかで美しいく可愛らしい街。再訪して歩いてもっと見て回りたいと思った唯一の都市が私のパリ。
しかし、パリは目的地ではなかった。私がその夏にフランスを選んだのはモンサンミッシェルに行くためだった。つづく。